2024年イギリスGPで考えられる戦略
シルバーストーンは信じられないほどスピードが速く、至る所に砂利が待ち構えている。ここ数年でグリッド上は最も接近しており、さらに雨の可能性もある。では、レース当日の戦略的オプションは何があるだろうか?
昨年は何が起こったか?
昨年のシルバーストーンでは1ストップ戦略が主流だったが、重要な瞬間は33周目のセーフティカーだった。これはハースのケビン・マグヌッセンが停止してエンジン火災を起こしたためだ。
大多数のクルマがC2ミディアムタイヤでスタートし、例外はジョージ・ラッセル、角田裕毅、ニック・デ・フリース、エステバン・オコンがC3ソフト、バルテリ・ボッタスとニコ・ヒュルケンベルグがC1ハードだった。
マックス・フェルスタッペンはミディアム-ソフト戦略で勝利し、33周目のセーフティカー下でピットインした。彼はフィニッシュまでランド・ノリスに追われ続けたが、ノリスは同じ周回でピットインし、ミディアム-ハードを選択した。ルイス・ハミルトンは3位でフィニッシュし、フェルスタッペンと同じ戦略を取った。
2ストップでポイントを獲得したのはシャルル・ルクレールだけで、9位でフィニッシュした。ルクレールはミディアムコンパウンドでスタートしたが、序盤にピアストリを抜けなかったため、18周目にハードタイヤでアンダーカットを試みた。ハードタイヤの感触が悪く、32周目に再びミディアムタイヤに交換した。
最速の戦略は?
2023年のような涼しくて乾いたレースになれば、同様の展開になる可能性が高い。「全員が1ストップレースを選択すると考えており、3種類のコンパウンドすべてが使用可能だ」とピレリのチーフエンジニア、シモーネ・ベッラは述べている。
「C3はスタート時に追加のグリップを提供するが、その後スティントを管理する必要がある。一方、C1とC2はより一貫性があり、長いスティントが可能で、セーフティカーや雨の接近などの状況を利用できる可能性がある。非常に興味深いね!」
ソフトタイヤは使用可能期間が短く、グレイニングの傾向があるが、その大幅なペース優位性(ミディアムより0.5秒速く、ハードより0.8秒速い)は無視できない。追従やオーバーテイクが簡単ではないトラックで良好なスタートを切ることの重要性を考えると、オープニングスティントには良い選択肢に見える。0-150km/hまでミディアムより4mのグリップ優位性がある。
ソフト-ミディアムとソフト-ハードの両方が可能だ。ハードタイヤへの交換は16-22周目の間で、ミディアムの寿命がやや短いため、18-24周目に交換時期が延びる。
ミディアム-ハード戦略では24-30周目の間にストップが必要で、ミディアム-ソフトは30-36周目になる。後者には、終盤のプッシュやファステストラップを狙うための強力なタイヤ差という利点もある。
金曜日のドライ走行に基づくと、ミディアムとハードタイヤにはあまり差がないため、ペアとして扱っている。「両者に大きな違いは見られなかった」とベッラは語った。
「一部のチームはC1を好み、他のチームはC2を好む。ミディアムコンパウンドはC1より約0.4秒速く、同様の機械的耐性を持っている。そのため、C3で見られたようなグレイニングはなかったが、熱耐性はそれほど良くないので、劣化がやや高くなっている」
天候への配慮
今週末の天候は全チームにとって難しいものだ。晴れる可能性もあれば、雨が降る可能性もあり、レース中に両方の状況が起こる可能性もある。
この記事を書いている時点での天気予報では、レース中に60%の確率で雨が降ると予測されており、小雨から強い雨、あるいはピットレーンで言うところのフルウェットコンディションまで、様々な状況が考えられる。
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