ピエール・ワシェ、フェルスタッペンの勝利と技術的進歩を語る

マックス・フェルスタッペンがエミリア・ロマーニャGPで接戦を制し、重要な勝利を手にしたイモラの週末。その舞台裏で、レッドブル・レーシングの技術部長ピエール・ワシェが、アップグレードの効果やタイヤ戦略、そして現行マシンの繊細さについて率直に語った。
今回の週末では、特にタイヤに関する想定外の挙動がチームを悩ませたといい、ワシェ技術部長はこう振り返る。「このサーキットではタイヤの劣化のメカニズムが異なっていた。摩耗の仕方も、挙動も、金曜日に見たものとはまったく違っていた。おそらく気温が上がったことが影響したのだと思う。より暖かくなり、タイヤへの影響も大きくなった」
そうした中でも、チームが導入したアップグレードパッケージは明確な成果を示した。「我々は大幅に改善した。新しいパッケージはさらなる進化の可能性を与えてくれている。今回のアップデートは機能していたし、それが勝利に繋がった」
また、現行マシンのセットアップがいかにシビアなものかについても説明した。「ここに1ミリ、あそこに1ミリといった調整で大きく変わる。セットアップの許容範囲は非常に狭く、タイヤもまた、かなりナーバスになっている。それがこのマシンの難しさだ」
では、今回のパッケージが他のサーキットでも機能するのか——その問いには慎重な姿勢を崩さなかった。「どこに行っても自信はないよ」と皮肉混じりに語ったワシェ技術部長は、こう続けた。「日本では良かったけれど、バーレーンとマイアミではひどい出来だった。この世界では、何も保証されていないんだ」
タイヤ戦略については、予選でミディアムタイヤを試す案も検討していたが、最終的には採用を見送ったという。「結局、それを使う必要はなかった。金曜日の時点で、タイヤの寿命は悲惨なレベルだった」
さらに話題は、シャーシにダメージを負い、週末を通してフェルスタッペンとは異なる仕様のマシンで走行した角田裕毅にも及んだ。「私たちは2台目のマシンを組み上げようとした。新しいシャーシ、すべてが新しい構成だった。それでもクルマを元通りの状態にできたのは見事だった」
最後にワシェ技術部長は、勝利に安堵しつつも、さらなる開発が不可欠であると強調した。「ライバルたちも開発を続けているし、非常に良いクルマを持っている。我々も引き続き全力でプッシュし続けなければならない」
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