メキース、新代表として初のレース─波乱のスパでの苦いデビュー

ローレン・メキース氏がレッドブル・レーシングのチーム代表として初めてメディアの前に姿を現し、天候の悪化、運営上のミス、大胆な戦略判断が重なった波乱のデビュー戦を振り返った。
ベルギーGP決勝後の日曜夕方、レッドブル・レーシングのエナジーステーションでメディア対応に臨んだメキース氏は、変わりやすい天候と度重なるレース中断の中でチームがどのように戦ったのかについて率直に語った。
「今日の主役は間違いなく雨だった。そして、実際にレースができたのはほんの一瞬だった」とメキース氏は語った。「ファンにとっても残念だったが、我々の判断にとっても不利に働いた。かなり大きな決断を下していたが、その成果を発揮するチャンスがなかった」
レース開始が大幅に遅れると分かっていたらセッティングを変えていたかと問われたメキース氏は、「ええ、変えていたでしょう」と認めた。「ただ、その時点ではもっと早く再開できると予想していた」
また、チームが投入した新しいアップグレードパッケージについても言及し、その効果についてこう語った。「パフォーマンス面では成果があった。だが、バランス面の課題がすべて解決されたわけではない。ドライバーたちにとっての快適性という点では、まだ目指すレベルには届いていない。ただ、これは開発競争の一部。今週末にアップグレードを持ち込んだのは我々だけではない」
角田裕毅の週末についてもメキース氏は言及。スプリントとメイン予選の狭い間に、角田のマシンに最新仕様のフロアを装着するというリスクの高い決断が下された。
「フロアが使えるようになった時点で、次戦まで待つか、今すぐ使うかの決断を迫られた」とメキース氏は説明。「クルーは驚異的な仕事をしてくれた。予選にはギリギリ間に合ったが、通常であればそういう状況では代償を払うことになる。ですが、角田は見事に適応してくれた」
実際、予選での角田のパフォーマンスはチームにとって数少ない明るい材料となった──しかし決勝では、ピットインのタイミングにおける戦略的な連携ミスが彼のポイント獲得のチャンスを奪ってしまった。
「裕毅に関しては、ピットインのコールが遅すぎた」とメキース氏は認めた。「クルーは準備万端で、マックスとのダブルストップの体制も整っていた。ただ、肝心のコールが間に合わなかった。彼はそのせいで3〜4ポジションを落とし、それがポイント圏内で戦えるかどうかの分かれ目になってしまった」
チームはこれからサマーブレイクを前に立て直しを図るが、メキース氏はシーズン途中にレッドブルのトップに就任したことによるプレッシャーと、それに伴う可能性の両方を強調した。
「本当に目まぐるしいスタートだった」とメキース氏。「でも、私は非常に有能な人たちに囲まれている。今後は実行力をさらに磨いていくことに注力していく」
ファクトリーでの2週間の業務を経て、初めてサーキットでレッドブルのフルオペレーションに加わった感想については、「レースの現場で実際にチームのダイナミズムを感じられたのは刺激的だった」と語る。
「非常にまとまりがあり、モチベーションの高いチーム。私にとってレッドブルに加わるのは非常に個人的な決断だったが、たくさんのサポートを受けている」
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