ステラ代表、ベルギーGPでの1-2フィニッシュに称賛

マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラ氏は、日曜日に行われたベルギーGPでのオスカー・ピアストリとランド・ノリスの圧巻の1-2フィニッシュを受けて、両ドライバーの高いパフォーマンスを「世界選手権レベル」と称賛した。この結果により、両者のタイトル争いはさらに激しさを増している。
ピアストリは、難しいウェットコンディションとセーフティカー導入による混乱を巧みに乗り越え、今季6勝目を挙げた。前戦に続くノリスとの1-2は、マクラーレンの勢いを裏付けるものだ。
「我々は、ワールドチャンピオンシップを戦うにふさわしい2人のドライバーがいる点で、本当に幸運だ」とステラ氏は語った。「ランドとオスカーは非常に非常に高いレベルで戦っている。今後は、精度と実行の質が勝敗を分けるだろう」
戦略的勝利
このレースは、変わりゆく路面状況と序盤のセーフティカーによってタイヤ戦略が大きな鍵を握った。マクラーレンは当初ダブルストップ(2台連続ピットイン)を検討していたが、最終的にノリスがチーム指示から逸れて自らの判断でタイヤ選択を行うことを許容した。
「ダブルスタックは検討していた」とステラ氏は説明する。「ランドはソフトタイヤに行く可能性のある判断をした。実際、それは良い選択になったかもしれないと思っていた」
とはいえ、ピアストリのミディアムタイヤでのスティントが非常に安定していたことで、ノリスが攻め込むには至らなかった。
「オスカーは非常に堅実で力強いスティントを走った。ランドの方が平均的には少し速かったが、それでも仕掛けるには足りなかった」
両者ともに小さなミスはあった。ノリスはセクター2でロックアップやオーバーステアに悩まされ、ピアストリもブレーキングでタイムを失う場面があった。
「このようなコンディションでは、常にグリップ限界内にとどまるのは本当に難しい」とステラ氏は語り、こうした細かいミスが終盤のバトルを阻んだ可能性も示唆した。
「差はほとんどない」
ステラ氏によれば、ピアストリとノリスの差は「紙一重」。このタイトル争いは、チームオーダーではなく、あくまでドライバーの実力で決着すべきだと強調した。
「我々の2人のドライバーには、非常に非常に小さな差しかない。だからこそ、信頼性やオペレーションの面で最大限の準備を整え、勝敗はドライバー自身に委ねるべきだ」
ナンバーワンドライバーを決めるよう外部からの圧力があったとしても、それを受け入れるつもりはないと断言した。
「もし『楽』を求めるなら、この仕事は選んでいない」とステラ氏はきっぱり。「我々の仕事は、マクラーレンを成功させることであり、そのためには両ドライバーが才能を存分に発揮できる環境を整える必要がある」
そして現在のノリスとピアストリのコンビネーションは、過去に共に働いたF1界のレジェンドたちに匹敵するとまで述べた。
「私はこれまでにも世界チャンピオンたちと仕事をしてきた。そして今、ランドとオスカーはそのレベルで戦っていると思う」
天候とFIAへの評価
レーススタートは通過する雨雲の影響で遅延されたが、この判断についてステラはFIAの決定を全面的に支持した。
「レースは非常に賢明に運営されたと思う。スタートを遅らせたことで、危険な状況に陥ることなくウェットコンディションでレースができた。FIAは正しい判断を下した」
ステラ氏は過去に起きた事故、特にシルバーストンでのケースを引き合いに出し、慎重なアプローチが必要だと訴えた。
「現在のF1マシンは非常に大量の水を巻き上げるので、視界が完全に奪われてしまう。あのような事故は二度と見たくない」
意義ある勝利
そして今回のスパでの1-2フィニッシュは、単なる結果以上の意味を持つとステラ氏は語った。というのも、スパは過去にマクラーレンが車体バランスや空力面で苦しんできたサーキットだからだ。
「このサーキットでの1-2は、非常に意味のある結果だ。これまで苦手としてきたこの場所で、我々がいかに高いレベルで戦えているかを証明している」
残りのシーズンで両タイトルを狙える立場にある中、ステラ氏は「決して慢心せず、常にパフォーマンスを引き出し、ドライバーを支える」ことに徹すると語った。次の主戦場は、1週間後のハンガリー・ブダペストだ。
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