フェラーリ、F1王座奪還へヴァスール氏との契約延長を発表

スクーデリア・フェラーリは、チームプリンシパルであるフレデリック・ヴァスール氏との複数年契約延長を発表した。これは、チャンピオンシップ争いへの復帰を目指す中、長期的な安定性への同チームのコミットメントを示すものである。
ハンガリーグランプリ開催前に発表されたこの契約更新は、2023年初頭のヴァスール氏就任以来築かれた基盤をさらに発展させようとするフェラーリの意図を明確に示している。チームは今回の延長について「これまでに築かれた基盤の上に構築していくフェラーリの決意を反映するもの」と説明した。
コンストラクターズ選手権で2位につけているものの、フェラーリは首位マクラーレンに268ポイントの大差をつけられ、フォーミュラ1がサマーブレイクに入った。スプリント週末での1勝と数回の表彰台獲得は、ジョン・エルカーン グループCEOやベネデット・ヴィーニャ フェラーリ会長を含む首脳陣の期待を満たすには程遠い結果となっている。
ヴィーニャ会長は声明で「今日、私たちはこれまでに築かれたものを評価し、まだ達成すべきことにコミットしたいと思う。これは、共通の野心、相互の期待、明確な責任に根ざした、フレッド氏のリーダーシップに対する私たちの信頼を反映してる。私たちは決意と集中力を持って前進し、フェラーリが目指すべきパフォーマンスレベルの追求において団結している」と述べた。
56歳のヴァスール氏は、契約更新に伴う期待の重さを認識していることを明かした。
「フェラーリが私に寄せ続けている信頼に感謝している。この更新は単なる確認ではない。進歩を続け、集中し続け、結果を出すという挑戦だ。過去30か月間で、私たちは強固な基盤を築いた。今度は一貫性と決意を持ってその上に構築していかなければならない」と彼は語った。
水面下では、パドック関係者の間で、ヴァスール氏にビジョンを実行する時間と権限が与えられれば、フェラーリをチャンピオンシップ制覇に導く適任者だという声が上がっている。この過程は、2000年代初頭のフェラーリ黄金時代を築いたジャン・トッド=ミハエル・シューマッハ体制になぞらえる関係者もいる。
しかし、今シーズン初めのイタリア主要2紙の報道では、首脳陣のヴァスールに対する信頼が揺らいでおり、シーズンを最後まで務められない可能性があるとの憶測も流れていた。フェラーリはこれらの報道を公式に否定することはなかった。F1関係者によると、フェラーリの世界耐久選手権プログラムからの内部候補者でさえもこの役職への就任を辞退したとされ、適切な後任候補の不足が浮き彫りになっていた。
しかし、今回の発表により、フェラーリは結束した姿勢を示した。
「プレッシャーの下でリードし、イノベーションを受け入れ、パフォーマンスを追求する彼の能力は、フェラーリの価値観と長期的野心に完全に合致している。フレッドのリーダーシップの下、フェラーリは団結し、集中し、継続的な改善にコミットする」とチームは述べた。
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