【ハンガリーGP】金曜日レポート―レッドブルの抱える問題とは

2025年F1ハンガリーGP金曜日、2回のフリー走行セッションで上位勢から大きく遅れをとったレッドブルF1。中核となる問題は「グリップがない」ことと見られる。フェルスタッペンと角田、パッケージの異なる2台のフリー走行セッションを振り返る。
FP1レポート
FP1では2人のルーキーが登場。ザウバーからポール・アーロン、そしてアストンマーティンからはフェルナンド・アロンソの代役としてフェリペ・ドルゴビッチが出走した。
角田裕毅はハードタイヤで走行を開始し、一方のフェルスタッペンはミディアムタイヤでスタートした。角田は旧型のフロントウイングを使用しており、ハンガロリンクのような高ダウンフォースサーキットでは不利とされる仕様だった。ハードタイヤでのベストタイムは1分18秒464だった。
セッション中盤にはソフトタイヤに履き替えて予選シミュレーションを実施した。最初のアタックラップは1分17秒393だったが、競争力のあるタイムとは言えなかった。角田はソフトを1セットのみ使用したのに対し、フェルスタッペンは最初のセッションで2セットを投入している。
角田は最後の10分間、再びハードタイヤに戻し、燃料を積んだロングランのテストへ移行した。ベストタイムは1分22秒940だった。合計23周を走行し、無線では「グリップが足りない」と報告。FP2に向けたさらなるセッティング作業が必要であることが示唆された。
角田は17番手でセッションを終え、フェルスタッペンは9番手だった。トップはランド・ノリスで、マクラーレンのチームメイト、オスカー・ピアストリに0.019秒差で首位を奪取した。フェラーリのルクレールが3位に入った。
FP2レポート
FP2では、腰部の痛みを訴えていたフェルナンド・アロンソが復帰。マッサージが効いたようだ。気温43度にまで上昇したこのセッションは、どのドライバーにとっても厳しいコンディションとなった。
角田はいつも通りのプログラムをこなした。ミディアムでスタートし、ソフト2セットでアタック、最後にミディアムで13周のロングランを実施した。グリップとバランスには引き続き苦しんでおり、フロントウイングも依然として旧仕様だったが、セッションは比較的スムーズに進行した。
一方のフェルスタッペンは大きなトラブルに見舞われた。「氷の上を走っているようだ」と無線で訴えたフェルスタッペン。RB21のサスペンションに問題を抱えており、フロント・リアともにピットではエンジニアによる作業が続いた。
結果的に角田は9番手、フェルスタッペンは14番手と、角田が0.3秒以上の差をつけて上回る結果となった。なお、ピエール・ワシェとヘルムート・マルコはメディアへのコメントを避け、レッドブル・エナジーステーションに姿を消した。
上位陣では、再びマクラーレンが好調を維持した。ノリスが再びトップ、ピアストリが2位、ルクレールが3位に入った。アストンマーティンの2台も好位置につけ、ストロールが4位、復帰したアロンソが5位と驚きの速さを見せた。
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