ルノー新CEO、アルピーヌF1売却の憶測を一蹴

Alpine team
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数か月にわたり、ルノーのワークスF1チーム「アルピーヌ」が売却されるのではないかという噂がF1界で流れてきた。

その噂が一層強まったのは6月、カナダGPの週末に、ルノーの最高経営責任者(CEO)であり、自他ともに認めるレース愛好家でF1活動の強力な支援者でもあったルカ・デ・メオ氏が、7月中旬に退任することが明らかになった時だった。

デ・メオ氏は暫定チーム代表のフラビオ・ブリアトーレ氏を後押ししてきた人物でもあり、その退任はパドック内の一部から「アルピーヌの将来に不安がある」ことを示す新たな兆候と受け止められた。

Luca de meo Alpine
ルカ・デメオ氏

こうした憶測は、今年初めにルノーが2026年向けの自社製F1パワーユニット開発を停止し、代わりにメルセデスから供給を受ける顧客チームとなる決断を下したことでも勢いを増していた。

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そして売却の噂とともに、ある名前が何度も浮上してきた──ドミトリー・マゼピン氏である。

マゼピン氏は、フラビオ・ブリアトーレ氏やオークス家との親密な関係を通じて、アルピーヌF1チームと間接的に結び付けられてきた人物だ。オリバー・オークス氏は今年初めからチーム代表を務めていたが、5月初旬のマイアミGP直後に「個人的な理由」で突然辞任している。

マゼピン氏は過去にF3やF2といったジュニアカテゴリーで資金提供を行ってきた実績があり、F1への関心も広く知られている。長男のニキータ・マゼピン氏は2021年にハースF1チームで走り、そのシーズンはマゼピン氏の会社「ウラルカリ」がチームのタイトルスポンサーを務めた。

Flavio Briatore
フラビオ・ブリアトーレ

今年初めのバーレーンでは、マゼピン氏が次男のステパン氏とともにメルセデスのガレージで目撃された。ステパン氏は兄より高いドライビング能力を持つと評判で、この光景は「マゼピン氏がF1復帰を狙っているのではないか」という憶測を再燃させた。そしてその有力候補として、関係者の間でアルピーヌの名前が浮上している。

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しかし、マゼピン氏がロシア国籍であることは、F1プロジェクトへの直接的な投資を極めて複雑、かつ現在の地政学的状況ではほぼ不可能なものにしている。

プロヴォスト氏:「F1は我々の中核戦略の一部」

7月末、ルノーはフランソワ・プロヴォスト氏がルノーS.A.の最高経営責任者(CEO)およびルノーs.a.s.(事業会社)の会長に就任すると発表した。任期は2025年7月31日からの4年間となる。

プロヴォスト氏はこれまで最高調達・パートナーシップ・渉外責任者を務め、ルノーは彼を「運営面・戦略面の両方で豊富な国際経験を持ち、自動車業界の課題に深く精通し、明確な戦略ビジョンを備えた経験豊富なリーダー」と評している。

François Provost Renault
フランソワ・プロボ – © Renault Group

声明の中でプロヴォスト氏は、「12万名の従業員、販売店、サプライヤー、パートナーとともに、127年にわたりフランス産業の旗艦の一つであり続けてきた我々のグループの発展に全力と情熱を注ぐ」と表明。

さらに、ルノーの「確固たる基盤、献身的なチーム、優れた製品ラインナップ、強力なブランド、革新的な組織」を、困難な業界環境を乗り越えるための資産として挙げた。

そしてアルピーヌF1の将来について問われると、プロヴォスト氏は明確に答えた。

「F1はアルピーヌにとって中核戦略の一部であり、その方針を変えるつもりはありません」

「F1チームにとって重要なのは結果だけです──今年のパフォーマンス向上、そしてもちろん2026年の新車での成功です。これはF1における唯一無二の優先事項」と付け加えた。

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