マルコ「何年ぶりかの最高の金曜日」、角田裕毅はペース探しに苦戦

シンガポール ― レッドブルのF1アドバイザー、ヘルムート・マルコはマリーナベイで行われた金曜フリー走行後、慎重ながらも前向きな姿勢を示した。初日の走行について「ここ何年ぶりか分からないほど最高の金曜日だった」と語っている。
フリー走行2回目終了後、マルコは最近導入されたアップグレードが、ハイダウンフォース仕様のシンガポール市街地サーキットで効果を発揮していると強調した。
「確実に前進した。予選は100分の1秒単位の争いになるだろう。マシンは縁石の上での安定性が増し、アンダーステアも減った。マックスも“カンガルーのように跳ねる”と文句を言わなくなった」と明かした。
一方で、2度の赤旗によりロングスティントを十分に試せず、レースペースを正確に判断できなかったことも指摘。
「誰もロングランを走れなかった。だから判断は難しい。短いラップや軽い燃料、ソフトタイヤでは競争力があるように見えたが、明日にならなければ分からない」と述べた。
ライバルの動向
マルコは、レッドブルがライバルの存在を決して軽視できないと警鐘を鳴らした。
「アロンソは両方のセッションで速さを見せたし、アストンマーティンはすでにブダペストのような特性を持つサーキットで好調なパフォーマンスを示していた」とコメント。
また、レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーのスピードにも触れ、その成長を「非常に印象的」と評価した。
「彼はわずか2周で最速マシンのグループに食い込んだ。我々が期待することをきっちりやっている。ウォームアップラップをほとんど必要としない点は、マックスに似ている」と語った。
さらに、フリー走行2回目の終盤にクラッシュを喫したリアム・ローソンについても言及。
「ここでは誰にでも起こり得ることだ」とした上で、「スピードという観点では十分に競争力があった」と評価を加えた。
ドライバー市場への考察
マクラーレンのジュニアドライバー、アレックス・ダンがフリーエージェントとなった件について問われると、マルコはレッドブルが関心を持つ可能性を否定しなかった。
「彼は非常にアグレッシブなドライバーで、優れたマシンコントロールを持ち、スピードもある――レッドブルが好むタイプだ」と評価。
ただし一方で、「彼はまだスーパーライセンスを持っていない。だから、F2でもう1年戦うことになるだろう」とも付け加えた。
角田裕毅の課題
ヘルムート・マルコは角田裕毅についてもコメントを残した。
「彼は悪くなかったが、まだマックスにもっと近づく必要がある」と慎重に評価。
角田はミディアムタイヤで異なるシチュエーションで走ったいたが、マルコのコメントは、角田裕毅がフェルスタッペンとの差を縮めなければならないという一貫した期待を裏付けるものだった。
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