角田、シンガポールでの苦戦で将来は未だ不透明

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角田裕毅にとってキャリアの岐路とも言えるはずだったマリーナベイでのシンガポールGPは、期待とは裏腹に失望の結末を迎えた。

予選13番手からスタートした日本人ドライバーは、オープニングラップの混乱とマシンバランスの問題に苦しみ、最終的に12位でフィニッシュ。ポイント圏にはあと一歩届かなかった。

レース前の気温は30度、湿度は80%を超え、ドライバーにとって極めて過酷なコンディション。角田はソフトタイヤでスタートを切ったが、ターン1から混乱に巻き込まれ、わずか1周で4つポジションを失った。

「今日の1周目は、これまでで最悪だった」と角田は率直に語る。「多くのポジションを落とし、動くスペースがまったくなかった。何かを試すたびに他のクルマがラインを塞いでいた」

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その後、早めのピットインでハードタイヤに交換し、クリアエアを得てからは堅実なペースを見せた。中盤では着実に順位を回復したが、終盤はトラフィックとタイヤ摩耗に苦しみ、カルロス・サインツに抜かれて12位でチェッカーを受けた。

チーム代表のローラン・メキース氏は、冷静に状況を分析した

「土曜日は裕毅にとって良くなかったと言わざるを得ない」とコメント。「金曜日はタイムシート上では目立たなかったが、内容的には良かった。だが土曜日の出来は不十分だった。彼と一緒に何が狂ったのかを理解する必要がある。1周目は衝撃的だったが、その後のレースはとても堅実だった。18番手から12位まで戻したのは立派だ。しかし、土曜日の不振でポイントを逃した」

角田自身も悔しさを隠せなかったが、レースペースには手応えを感じていたようだ。

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「本当に悔しいのは、今日のペースがすごく良かったこと。チームに入って以来ベストの一つだった。ポイントを取る力は十分にあった」と振り返る。

「終盤にはアイザック・ハジャーを抜くチャンスもあったけど、マックスが後ろからP2を争っていたから譲った。それはチームにとって正しい判断だった」

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しかし、より大きな焦点はこの結果がレッドブル残留争いにどう影響するかだ。Q2で再び決定的な一歩を欠いたことは、ヘルムート・マルコが以前から指摘してきた「予選での詰めの甘さ」を再び露呈する形となった。オンボード映像からは、アンダーステアに苦しむRB21が狭い市街地コースで滑る様子が映し出されていた。

メキース氏は「裕毅と共に改善に取り組む」と強調している。関係者によると、シンガポールにはレッドブルの上層部も勢ぞろいしており、2026年のドライバーラインナップはメキシコGP終了までに最終決定される見込みだという。

角田にとってこの週末は、失望と希望の狭間にある結果となった。またしてもポイント獲得には届かなかったが、確かな進歩を見せたレースペースが唯一の救いだ。

果たしてこの走りが、レッドブル首脳陣の判断を変えるだけの説得力を持つのか――その答えは、まだ見えていない。

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