【カタールGP】波乱のタイヤ安全性問題とその対策案
カタールGP初日の走行後にタイヤに重大な問題が発見されたため、FIAは残りの週末に向けて多くの変更を余儀なくされた。
最初の練習後のピレリによるタイヤ分析では、タイヤ側面のトッピングコンパウンドとカーカスコードの間に分裂が見られたと発表。
ルサイル・インターナショナル・サーキットの大きな縁石がこの問題を引き起こし、残りのレースにおける変更につながったと考えられている。
FIAが発表した変更点は以下の通りだ。
- ターン12とターン13のトラックリミットを改定。
- トラックリミットの改定後、ドライバーがこの変更に適応できるよう、現地時間16:00に開始予定の10分間の適応練習セッションが行われる。それにより、スプリントシュートアウトは予定より20分遅れて開始される(日本時間:22時20分開始)
- 19周のスプリント後にはタイヤ分析が行われ、グランプリに向けてさらなる措置が必要かどうかが判断される。
- 問題が依然として明らかな場合には、安全上の理由から日曜日のグランプリに関して次の指示を発行する予定。
- a. 決勝で使用される新しいタイヤの使用は20周を超えてはならない。予選でのタイヤ使用を考慮して、使用済みタイヤの場合は22周を最大とする。
- b. aの指示が反映された場合、これを考慮して、すべてのドライバーはレース中に少なくとも 3 回のタイヤ交換ピットストップを行うことが義務付けられる。
1-3は決定事項であり、4はスプリントレース後の状況を見て確定される予定だ。
FIA技術部門トップのニコラス・トンバジスはインタビューで以下のように語った。
Q. なぜトラックリミットの改定が必要なのでしょうか?
「状況を理解するためです。昨夜からこの問題について対策を練ってきました。次にトラックの幅を変更する必要があり、80cm狭めました。これによってトラックリミットは80cm変更され、コーナーの角度も変わります。縁石には大きな段差があり、奥に行けば行くほど大きくなります。FIAはこの問題解決に今後も取り組んでいきます。トラックタイムを失わないよう、ここカタールやオーストラリアなどのサーキットの制限を再確認する必要性があります。」
Q. 2021年にも同じような問題が既に存在していましたが、なぜ対策されていなかったのでしょうか?
「タイヤと縁石の接触は非常に重要な点です。ピレリと共に、このタイヤの問題解決のためたくさんのシミュレーションやテストを行ってきました。タイヤとマシンの重量は史上最重となっていて、今日我々がやらなくてはいけないのは早急に問題を解決してレースを可能にすることです。ドライバーが変更に適応できるよう、10分間のテスト走行を行う予定です。」
大きな変更により波乱の週末となりそうなカタールGPだが、FIA公式の声明では「ピレリとFIAは、将来的にこの問題を回避するための解決策に取り組むために、広範な調査とシミュレーションを実施する」と記載されていた。