F1ドライバーの“辛口”クリスマスプレゼント 今年も笑いと皮肉が交錯
F1ドライバー同士によるクリスマスの“プレゼント交換”は、近年すっかり恒例行事となっている。多忙なシーズンの合間を縫って行われるこのイベントだが、カメラの前で開封されることもあり、今年も何人かのドライバーがライバルをからかう絶好の機会として利用した。
今年とりわけ話題を集めたのが、2つのかなり“攻めた”贈り物だ。F1公式YouTubeチャンネルで公開された映像によると、フェルナンド・アロンソには年齢をネタにしたスキンケア用のフェイスマスクと杖が贈られた。贈り主はニコ・ヒュルケンベルグ。ヒュルケンベルグがフォーミュラBMWに参戦していた頃、アロンソはすでに2度のF1世界タイトルを獲得していたという背景もあり、世代差を意識したジョークとなった。
44歳のアロンソは現役F1ドライバーの中で最年長だが、その自信が揺らぐことはなかった。フェイスマスクを見た瞬間、「僕の肌は完璧だと思うけどね。まあ、どうでもいいけど」と、いつもの余裕を見せて最初の一撃を軽く受け流した。
杖についても、最初はゴルフクラブと勘違いしながら、「ああ、これはゴルフクラブじゃないね」と笑い、「使えるかもしれない。僕が一番年上で、キミ・アントネッリが一番若い。彼から見たら、僕は祖父みたいなものかもね」と冗談を飛ばした。
贈り主が“金髪で、そこまで若くないドライバー”だと明かされると、アロンソはすぐにヒュルケンベルグだと察した。「これで彼を叩くよ。時々モナコで会うからね」と笑い、「冗談だよ。ありがとう。今すぐじゃないけど、いつか役に立つ日が来るかもしれない」と締めくくった。
一方、ジョージ・ラッセルも容赦ない一撃を受けた。フェラーリのシャルル・ルクレールが贈ったのは、ザントフォールトで自分がラッセルをオーバーテイクした場面の写真。しかも通常の写真に加え、デジタルフォトフレーム付きという念の入れようだった。
ラッセルは一瞬言葉を失い、このプレゼントを「生意気だ」と表現。というのも、このオーバーテイクは当時大きな議論を呼び、ラッセル自身はスチュワードの判断とは異なり「不当な動きだった」と考えていたからだ。彼はすかさず、「シャルルは違法なオーバーテイクしかできないから、他に選択肢がなかったんだろう」と皮肉で応酬した。
ルクレールの“ヒット”を物語ったのが、その後のラッセルの反応だ。「シャルルにメリークリスマスと言いたい?」と聞かれると、「いや、別に」と笑いながら答え、「代わりに、数周後にキミ・アントネッリに弾き飛ばされた時の写真を用意してあげようかな。その後に何が起きたか、思い出してもらうためにね」と切り返した。
F1ドライバーたちのクリスマスは、今年もユーモアとライバル意識が入り混じった、いかにも彼ららしい“賑やかな”ひとときとなった。
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