アントネッリ「トップで戦えるクルマを」2026年に向けた率直な願い
メルセデスのキミ・アントネッリは、F1デビューイヤーとなった2025年シーズンでいくつもの印象的な走りを見せた。19歳のイタリア人ルーキーは、2年目となる2026年に向けて、ごくシンプルな願いを口にしている。
ルイス・ハミルトンがフェラーリへ移籍したことで、メルセデスのトト・ヴォルフ代表は大きな決断を下し、アントネッリを昇格させた。その期待に応えるように、アントネッリは力強い結果を残す一方、ヨーロッパラウンドでは一時的な不振も経験した。
それでもシーズン序盤から光る走りはあった。第6戦マイアミではスプリントのポールポジションを獲得し、F1での存在感を一気に高めた。さらに約1カ月半後のカナダGPでは、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで3位に入り、初の決勝表彰台を獲得している。

その後もアントネッリの快進撃は続いた。ブラジルGPではサンパウロでスプリント、決勝ともに2位に入り、週末を通して安定した速さを披露。続くラスベガスGPでは3位表彰台を獲得したが、この結果はレース後にランド・ノリスとオスカー・ピアストリ(ともにマクラーレン)がフロアの摩耗規定違反で失格となった影響もあった。
最終的にアントネッリはドライバーズランキング7位でシーズンを終え、わずか6ポイント差で前任者のハミルトンに続く位置につけた。ルーキーイヤーとしては十分以上の内容だったと言える。
では、2026年に向けてアントネッリ自身は何を望んでいるのか。イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」の取材に対し、彼は率直に語っている。
「トップで戦えるクルマが欲しい。それだけです」
さらにこう続けた。「レースに勝ちたいし、もしかしたらタイトル争いができるかもしれない。チームは最高のクルマを作るために全力を尽くしてくれているし、僕も自分にできることをすべてやって貢献したい」
大きな野望を口にしつつも、その言葉は現実的だ。F1での2年目を迎えるアントネッリは、確かな手応えとともに、次なる一歩を見据えている。
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