F1 2026年プレシーズンテスト開幕─バーレーン初日分析
2026年仕様のF1マシンが、バーレーンで本格的に走行を開始した。プレシーズンテスト初日は各チームが周回を重ね、データ収集に専念。勢力図を断定する段階ではないものの、いくつかの重要な兆候が浮かび上がっている。
キャデラック、初年度とは思えぬ安定感

2026年からF1に参戦するキャデラックは、初日から堅実なスタートを切った。セルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスの2人で合計107周を走破。これはバーレーンGPほぼ2レース分に相当する距離だ。
参戦承認からわずか1年あまりで体制を構築した新規チームにとって、この走行距離は大きな意味を持つ。初号車の始動、シェイクダウンを予定通り完了し、バルセロナでも安定した走りを披露。バーレーンでもその流れを維持した。
エグゼクティブ・エンジニアリング・コンサルタントのパット・シモンズ氏は、シーズン中の開発について「堅牢なプロセス」と「積極的な開発計画」を整備していると説明。ただし、チームは現実的な目標設定を崩さず、まずは基盤の確立を最優先としている。
ウィリアムズ、信頼性で存在感

バルセロナでのシェイクダウンを唯一欠席したウィリアムズだが、初日は力強い巻き返しを見せた。シルバーストンとバーレーンでのフィルミングデーを経て、145周を記録。これは全チーム最多の周回数だった。
チーム代表のジェームズ・ボウルズ氏は、「大きな欠点は見当たらない」と語りつつも冷静だ。
「現時点でバランスは極端に外れていない。セットアップ作業前としては、いい基準値だ」
慎重な姿勢を維持しながらも、信頼性の面では明確な前進がうかがえる。
レッドブル、新PUは順調な滑り出し

レッドブルは2026年から自社設計パワーユニットをフォードと共同開発。大きな転換期を迎えているが、初日はマックス・フェルスタッペンが136周を走破し、ドライバー最多周回を記録した。
メルセデスのトト・ヴォルフ代表は、「現時点でのベンチマーク」と評価。特にストレートでのエネルギー展開の強さに注目しているという。
フェルスタッペン自身は詳細を明かさなかったものの、多岐にわたるテスト項目を消化したと説明。ラップタイムの比較が意味を持たない段階とはいえ、信頼性と挙動の安定感は好材料だ。
メルセデス、初日に課題露呈

一方で、メルセデスにはバルセロナでは見られなかった問題が発生した。
ジョージ・ラッセルはグランプリ距離に迫る周回を重ねたが、ブレーキロック、トラクション不足、バランスの不安定さが報告された。
午後にはキミ・アントネッリの走行中、セットアップ変更に伴うサスペンション関連のトラブルも発生。修復後に走行を再開したが、十分なデータ収集には至らなかった。
もっとも、プレシーズンテストは問題を洗い出す場でもある。残る2日間で走行距離を確保できれば、初日の課題は修正可能な範囲とも言える。
2026年勢力図は依然として不透明
バーレーンでのテスト初日は、キャデラックの堅実な船出、ウィリアムズの信頼性、レッドブルの新PUの安定性、そしてメルセデスの課題という対照的な構図となった。
しかし、各チームの走行プログラムは大きく異なる。タイムや順位で優劣を語る段階ではない。真の勢力図が見えてくるのは、オーストラリアでの開幕戦以降になりそうだ。
【関連記事】
