2026年F1レギュレーション、シャシー軽量化と小型化で「アジャイル・カー」コンセプトへ
FIAは、2026年のF1マシンをより軽量で短く、そして機敏な車へと進化させることを目的としたルール、すなわち「アジャイル・カー(機敏な車)」のコンセプトを導入する。これは、近年のF1マシンが抱えてきた過剰な重量という慢性的な課題に対処するための重要な取り組みだ。
大幅な軽量化
2026年からは、単座マシンの最低重量(ドライバー込み)を、現在の798kgから約768kgへと、およそ30kgの軽量化を目指す。電動パワーの比重拡大やアクティブ・エアロダイナミクスの導入により、マシンにはこれまで以上に優れた動的性能が求められる。そのため、軽量化は不可欠な要素となる。この重量削減は、車体寸法の縮小と素材の最適化によって実現される見通しだ。
よりコンパクトな寸法
車体サイズも大幅に見直され、ホイールベース(全長)は3,600mm から 最大3,400mm(−20cm)に短縮、車幅は2,000mm から 1,900mm(−10cm)に縮小される。
こうしたコンパクト化により、コーナリング性能の向上や車両重量の低減が期待されるほか、狭いサーキットでのホイール・トゥ・ホイールのバトルを促進する狙いもある。
グラウンドエフェクトの低減と改良されたタイヤ
2022年のレギュレーションでは、ダウンフォースを生成するためにグラウンドエフェクトに大きく依存していた。しかし、FIAは2026年に向けて、フラットボトムの簡素化と複雑さの軽減を進め、ベンチュリ・トンネルの大部分を廃止することで、その依存度を下げる方針だ。これにより、マシンはダーティエアの影響を受けにくくなり、ポーポイズ現象の抑制も期待されている。タイヤは引き続き18インチを採用するが、前後の幅がわずかに細くなり、さらなる軽量化に貢献する。
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