アブダビGPプレビュー:グラウンドエフェクト最終章、三つ巴のタイトル決戦へ

Sergio Perez Red Bull Abu Dhabi
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2025年のF1シーズンは今週末、ヤス・マリーナ・サーキットで開催されるアブダビGPで最終決戦を迎える。ランド・ノリス、オスカー・ピアストリ、マックス・フェルスタッペンの三つ巴によるタイトル争いが、夕暮れからナイトレースへと移り変わる象徴的な舞台で決着する。また、今回のイベントは現行のグラウンドエフェクト規定の最終戦でもあり、歴史的意味合いも大きい。

コース特性は前戦カタールとは大きく異なる。かつて単調なレース展開を生むとして批判されたレイアウトだが、近年の大規模改修により第1セクターはより流れるような中速コーナー主体に、第2セクターは直線スピードが問われ、第3セクターはトラクションとブレーキング精度が鍵となるなど、現代F1に合ったバランスのとれたトラックへと変貌した。

セットアップは中程度のダウンフォースが主流になる見通し。アブダビ特有の気温変化も大きな要素で、日中の暖かい路面から気温が落ち込むナイトセッションへ移るにつれ、グリップとタイヤの挙動が大きく変化する。

ピレリは最も柔らかいレンジであるC3(ハード)、C4(ミディアム)、C5(ソフト)を持ち込む。昨年はミディアム→ハードの1ストップが主流だったが、今季の強化されたタイヤ構造も加わり、今年も1ストップ傾向が予想される。それでもアブダビは戦略が一気に揺れ動くことが多く、タイミング良いセーフティカーやレッドブルの思い切った判断が入れば、2ストップ戦略へ傾く可能性もある。

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オーバーテイク面ではルサイルより期待できる。DRSゾーンは連続する2か所で、シケイン手前のロングストレートと、その後のヘアピンへ向かう区間で多くの攻防が発生する。昨年は43件のオーバーテイクが記録され、かつての「トラックポジション最優先」の印象とは大きく異なるレース展開が可能となった。

Abu Dhabi 2024

昨季ポールはノリスの1分22秒595で、最高速度は324km/hに達した。各チームはグラウンドエフェクト最終戦に向け、最後のセットアップ調整を進めており、今年のタイムも変動する可能性が高い。

3人のタイトル候補がいずれも逆転の可能性を残す中、アブダビのフィナーレは、タイヤマネジメント、気温変化、そしてチャンピオンシップを形作ってきた「紙一重」の勝負が最終局面を迎えることになりそうだ。

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