アルピーヌ、オースティンでのチームオーダー論争で混乱

17位をめぐる異例のチームオーダー騒動
オースティンで行われたアメリカGPで、アルピーヌがレース終盤に予期せぬチームオーダー論争に直面した。争点はポイント圏外の17位をめぐって。だが、この出来事がチーム内の緊張を一気に高める結果となった。アルピーヌのチーム代表であるスティーブ・ニールセン氏は、ピエール・ガスリーの後方でポジションを維持するよう命じられていたフランコ・コラピントがチームの指示に従わなかったことを公に批判。「失望している」と述べ、チーム内で内部調査を行う方針を示した。
ニールセン氏はレース後、「ピットウォールからのすべての指示は最終的なものであり、今日これが守られなかったことに失望している」と声明を発表。
「我々がドライバーたちにポジションを保持するよう命じたのは、両方の車の燃料消費を監視していたからだ。後ろの車が周回遅れになっていたため、残りの周回数が不確実だった」
フィニッシュまで2周というところで、ガスリーは17番手を走行し、その直後にコラピントが続いていた。しかし、ペースの上がっていたアルゼンチン出身のルーキーは、無線で追い抜きたいと抗議。「待って……何? ポジション保持? でも彼は遅い」
その後すぐに、コラピントは指示を無視して、ターン1でガスリーをオーバーテイク。結果、ガスリーはガブリエル・ボルトレートにも抜かれ、19位でフィニッシュした。
チームオーダーが出された背景は燃料戦略によるものだった。両マシンが、最低限必要な燃料サンプルを下回った状態でレースを終える危険性があり、それは失格につながる可能性があった。マックス・フェルスタッペンがすでに1台を周回遅れにしていたため、最終ラップはフィールドを駆け抜ける速い車の激しいトラフィックによってさらに複雑になっていた。
「最終ラップでの燃料管理は極めて重要だった。両方の車が安全にデータを持ち帰る必要があったのだ。指示は明確で、必要なものだった」とニールセン氏はコメント。
一方、コラピントは自身の判断を擁護。両方の車がさらなるポジションを失うのを防ぐためだった、と主張した。「ボルトレートを私たち2台の後ろに留めておきたかっただけだ。チームで話し合い、そこから学ばなければならない」
このチームオーダー騒動は、アルピーヌにとって極めて微妙なタイミングで起きた。コラピントは、まだ2026年シーズンの契約が確定しておらず、事実上“シートをかけた戦い”を続けている状況だ。アルピーヌのチームアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレ氏によれば、来季のガスリーのチームメイトは、コラピントまたは台頭するジュニアドライバーのポール・アロンのどちらかになる見込みだ。
今回の一件は、コラピントの評価や将来のシート争いに少なからず影響を与えるのだろうか。
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