ステラ代表、フェルスタッペン援護の角田起用に「正当な戦い」 アブダビ決勝は戦略勝負へ備え
アブダビGP予選でマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得する中、マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、レッドブルが角田裕毅を使ってフェルスタッペンにトウ(スリップストリーム)を与えた戦略について「驚きではない」と冷静に受け止めた。
「レッドブルがチームとして動くことは可能性の範囲内だし、驚いてはいない」とステラ代表。
「スリップストリームでわずかにパフォーマンスを得られるが、それが不公平だとは思わない」
Q3で角田がフェルスタッペンに与えたトウはセッション中もっとも議論を呼んだ場面の一つとなった。しかしステラ代表は、決定打となったポールラップ自体はトウなしで記録された点を強調した。
「間違いなければ、実際のポールラップはその次のアタックだ。つまりマックスはトウなしで記録している。今日もっとも速かったのは彼で、ポールは正当なものだ」
マクラーレンは依然として“いい位置”

フロントロウにフェルスタッペン、2列目にランド・ノリスとオスカー・ピアストリの3人のタイトル候補が並ぶ構図となったが、ステラ代表はマクラーレンの状況について前向きだ。
「我々はまだ良い位置にいる。すべては我々の手の中にある」とコメント。
レッドブルの2台目より前方に両マクラーレンが並んだことは、戦略面で“武器”になるとも語った。
「これはアドバンテージだと言える。レースのどこかで戦略的な選択肢が増えるからだ。2台が揃って前にいるのは非常に良い状況だ」
タイトルが懸かるノリスの1コーナーについても慎重な姿勢を推奨したという。
「ランドは比較的慎重に入っていくだろう。それが私の推奨だ」
レッドブルの“本当の速さ”は想定内

レースでレッドブルがどれほど攻撃的な戦略を仕掛けてくるかが注目されるが、ステラ代表は過度に警戒していない。
「心配してはいない。興味深いバトルにはなるだろうが、スポーツマンシップの範囲内で行われるはずだ」
また、レッドブルの実力が金曜には見えにくく、最終盤で一気に本来の速さを明確にする傾向は「よくあること」だと語る。
「レッドブルがプラクティスですべてのパフォーマンスを見せないのは初めてではない。彼らが競争力を持っていることは分かっていた」
さらに、角田がフェルスタッペンをサポートしたことで、レッドブルは日曜に向けてより明確な“タイトル集中体制”となった。一方で角田は後方からのスタートとなるため、マクラーレンはその存在も戦略上の要素として織り込む必要がある。
決勝は三つ巴のタイトル戦と同時に、細やかな駆け引きが勝敗を左右する“戦略のレース”となりそうだ。
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