岩佐歩夢 レッドブル両チームのマシン差コメント【メキシコGP】
F1メキシコGPの週末を前に、レーシング・ブルズ(VCARB)のリザーブドライバーを務めた岩佐歩夢が、チームでの最新テスト内容やレッドブルとのマシン比較、そして自身の成長について語った。
SF(スーパーフォーミュラ)とF1の二刀流で挑む彼の視点からは、両カテゴリーの違いと共通点、そして未来への確かな手応えが見えてきた。
――フロントウイングが2台で異なっていましたが、どのような狙いがあったのでしょうか。
「そうですね。空力的な違いもありますが、大きな狙いはメカニカルなテストでした。僕のウイングは旧型ですが、パーツ不足ではなく“あえて比較するため”の選択です。
チームとして、今後の方向性を見極めるためにデータを取りたかった。FP1では異なるセットアップを試し、どちらの方向性が良いかを確認していました」
――リアム・ローソン選手と比べて、セットアップの違いは感じましたか?
「今回、僕のクルマの方が少しピーキー(扱いにくい)方向でしたが、乗りにくさは特にありませんでした。
ステアリングレシオも違っていて、彼の方は少し切っただけで反応する仕様です。今回は時間の都合で彼の仕様で走りました」
――レッドブルのF1マシンを走らせた際との違いは?
「コンセプトが全く違うので、走らせ方も大きく異なります。
レーシング・ブルズも去年と比べて、ややウィンドウ(最適な動作領域)が狭い印象です、その分パフォーマンスは確実に上がっている。速さを求めるほどセットアップの詰め方がシビアになるのは、どのチームも同じだと思います」
――今回の実走テストで掴めた成果はありましたか?
「大きかったですね。
これまでシミュレーターで培ってきたデータに、実車でのリファレンスを加えられたのは大きな一歩です。
特にタイヤでは、ハードからミディアムにかけてのグリップ差が想定よりも大きく、その対応で学びが多かったです。
ドライビングでも改善点を見つけられたし、チームに良いフィードバックを返せたと思います」
――メキシコのサーキットを初めて走った印象は?
「ブレーキングがかなり難しいですね。特に1コーナーと4コーナー、そして12コーナーはバンピーで、ブレーキを一定に保つのが難しかった。
ただ、低速区間が多くてテクニカルなレイアウトなので、走っていて面白いサーキットだと思いました。」
――来年もVCAP、TPCテストするというのは本当ですか?
「それに関しては僕から今言えることは何もないです」
――F1とスーパーフォーミュラ、両カテゴリーを並行する中での相乗効果は?
「本当に両方がつながっています。
F1での経験をSFに活かすこともできるし、逆にSFで得た知識をF1で使う場面も多いです。
特にピレリタイヤの扱い方やマネジメントは、F2やSFで学んだことが今に生きています。
一方で、F1ではシステム面の理解や技術的な会話の精度も求められるので、日々学びがあります。」
――スーパーフォーミュラ最終戦・鈴鹿に向けての意気込みをお願いします。
「特別なことはないです。やるしかない。
鈴鹿は相性的にも悪くないと思うので、ポールトゥウィンを目指すだけ。守る立場ではないので、攻めのレースをします」
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