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F1 2026年 第2回バーレーンテスト最終日─メルセデスが基準示す一方、アストンマーティンに不安

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第2回バーレーンテスト、最終日まとめ

サヒールの太陽の下、バーレーンのパドックは明確に“開幕モード”へと移行した。サーキット各所ではNetflixの『Drive to Survive』制作チームの姿も見られ、すでにシーズン9の撮影が始まっている。最終日はスタンドも賑わい、ドライバーが家族やゲストとセルフィーに応じる場面も見られた。2026年シーズンは、もはや理論上の存在ではない。ただし、すべてのガレージが同じ空気を共有していたわけではなかった。

ホンダのバッテリー不具合、アストンマーティンに痛手

金曜日の朝、ホンダは前日のフェルナンド・アロンソの走行後に、バッテリー系統の不具合が確認されたと発表。日本にある
ホンダの研究施設「HRC Sakura」での夜間解析により原因は特定されたものの、バーレーンに十分な代替部品の用意がなく、アストンマーティンは走行を大幅に制限せざるを得なかった。

影響は深刻だ。走行距離はほとんど伸びず、代表的なデータ取得も困難に。難しい立ち上がりとなっていたプレシーズンは、最後まで苦しい形で締めくくられた。

他チームには対照的な光景が広がる。メルセデスは安定したプログラムを遂行し、フェラーリはスタートシミュレーションとトラクションで存在感を示した。マクラーレンも競争力を維持し、レッドブルもトップグループに位置している。

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アストンマーティン

一方、アストンマーティンは周回を重ねること自体に苦しんだ。ランス・ストロールはわずか6周で走行を終え、残り約2時間半を残して撤収。パッケージの仕上げに向けた有意義な作業はほとんど行えなかった。

数字はその差を如実に示す。第2回バーレーンテスト3日間の総走行は128周。メルセデスは1日ごとにそれを上回った。バルセロナを含めた総走行距離も約2,110kmにとどまり、キャデラックの約3,930km、アウディの約5,000kmに大きく及ばない。総合順位でも最下位に沈んだ。

レギュレーション大転換の年において、準備は最大の資産だ。その点で、アストンマーティンは不安を抱えたままバーレーンを後にすることになった。

“パワーアワー”でフェラーリが存在感

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シャルル・ルクレール

フェラーリは終盤に攻勢をかけた。路面温度が下がりグリップが向上する“パワーアワー”に、シャルル・ルクレールが予選シミュレーションを実施。1分31秒9を記録し、テスト全体の最速ラップをマークした。

これはC4タイヤでのタイムであり、多くのライバルがC3を使用していた点は考慮が必要だ。それでも、象徴的な一撃であり、終盤にプッシュする姿勢と実行力が際立った。

ルクレールに続いたのは、ランド・ノリス、マックス・フェルスタッペン、ジョージ・ラッセル。トップ4の差はごくわずかで、明確な序列というよりは拮抗状態との印象を強めた。

メルセデスは最も安定したプログラム

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メルセデス

総走行距離の観点では、メルセデスが最も強い形でテストを終えた。最終日はキミ・アントネッリが空圧系トラブルでパワーユニット交換を余儀なくされたが、チームは迅速に対応。午後にはラッセルが走行を再開し、プログラムを完遂した。

パドックでは、メルセデスがなお余力を残しているとの見方もある。テストでタイトルは決まらないが、準備状況は明確に表れる。その点で、メルセデスは有利な位置にいる。

技術的実験も継続

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ハース

ハースのエステバン・オコンは、ドライコンディションでインターミディエイトタイヤを装着する実験を実施。激しいスライドが目立ったが、目的はデータ収集だ。

新しいストレートモードの部分的な作動や、通常の作動範囲外での挙動確認は、コンディション変化の大きいレースに備えるうえで重要な意味を持つ可能性がある。

会見テーマは“適応”

金曜日の会見では、“適応”が共通テーマとなった。ラッセルは進歩を認めつつも、小規模な信頼性トラブルが走行時間を奪ったと説明。新しいスタート手順については、エネルギー展開特性の変化が予測を難しくしていると語った。

ピアストリは最適化の重要性を強調。エネルギー回生と展開の管理がラップタイムを左右するとし、メルボルンは回生制限がより厳しく、初日から難しい戦いになるとの見方を示した。

フランコ・コラピントは、サーキットごとの適応が序盤戦の鍵だと指摘。アントネッリも、問題解決はプロセスの一部だとしつつ、フロント勢の差は小さく、真の序列はメルボルン予選で明らかになると語った。

レッドブルでは、アイザック・ハジャーがフェルスタッペンとの協力関係を「建設的」と表現。方向性の明確化に集中していると述べた。セルジオ・ペレスはレギュレーション刷新を新たな機会と捉え、アレックス・アルボンは迅速な適応力の重要性を強調した。

マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、信頼性と生産性に手応えを示しつつ、現時点の基準はフェラーリとメルセデスだと評価。オーストラリアでは、エネルギーマネジメントがより大きな差を生むと予測した。

6日間を終えて

6日間のテストを終え、2026年の輪郭が見え始めた。メルセデスは運営面と走行距離で優位に立ち、フェラーリは終盤に速さを示した。マクラーレンとレッドブルも、トップ争いの一角を維持している。

トップ4は極めて接近しており、サーキット特性によって勢力図は変動するだろう。

最大の懸念はアストンマーティンだ。走行不足と度重なる中断、そして最終日の早期終了。グリッドで最も準備不足の状態でメルボルンへ向かう可能性がある。

一方、キャデラックは新規プロジェクトとして着実に基礎を固めた点を前向きに評価できる。フェラーリ製パワーユニットも安定した基準を提供している。

F1はバーレーンを後にし、オーストラリアへ向かう。仕上げ段階に入るチームもあれば、まず立て直しが必要なチームもありそうだ。

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