【ベルギーGP】ボルトレート、「結果が出るまでは焦らずに」

Gabriel Bortleto
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F1の舞台に飛び込んで約半年、ザウバーの若きルーキー、ガブリエル・ボルトレートは、今その難しさとやりがいを日々痛感している。先日のシルバーストンでチームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが表彰台を獲得した裏で、ボルトレートは複雑な思いを抱えながらも、自らの成長を実感している。

イギリスGPでは、難しい天候の中で“スリックタイヤに賭ける”という果敢な判断を下したボルトレート。しかし、それは裏目に出た。

「前にいた経験豊富なドライバーたち、たとえばシャルル・ルクレールやジョージ・ラッセルがスリックに替えていたのを見て、自分も『いけるかもしれない』と思った。でも結局、誰にとってもあれは厳しい選択だった。多くのドライバーがスピンしたり、コースオフしたし、僕自身もそうなった」

とはいえ、彼はその経験を後悔していないという。

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「F1では、判断が大きな差を生む。今回は失敗となったが、次につながる学び。むしろ、こういう難しい局面でこそ、自分たちの弱点が見えるし、それを改善できるチャンスになる」

チームとの絆、そして自信の積み上げ

ボルトレートは今、ザウバーとともに確実な前進を感じていると語った。

「最近、アップグレードがしっかり機能していて、しかもそれが期待以上の成果を出している。これはチーム全体にとって大きな自信になりますし、僕自身もとても安心している。ファクトリーもサーキットの現場も、みんなすごく頑張ってくれていて、僕もその中で学び続けている」

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さらに、とくに実感しているのが、エンジニアとのコミュニケーション面での成長だと付け足した。

「レース後に何時間もかけて無線のやり取りを振り返り、『もっとこういう情報があれば違う判断ができた』とか、『こう伝えた方が良かった』とか、細かく詰めています。年初と比べて、本当に大きな進化を感じている」

チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが表彰台を獲得し、注目を集める中、自身へのプレッシャーはあるのかと問われたボルトレートは、落ち着いた様子でこう語った。

「ニコが素晴らしい仕事をしたことには心から嬉しい。でも、自分にプレッシャーがかかっているとは感じていない。僕も予選ではいい走りができているし、スピード自体に差があるとは思っていないよ」

ポイントが取れるかどうかの差は、「判断力と経験」にあるという。

「ニコは19番手や18番手からでもポイントを持ち帰ってくる。それはレース中の戦略や判断力の差。彼の経験が大きい。僕はまだそこを伸ばしていく段階。でも、今すぐ焦って結果を出そうとは思っていない。世界タイトルを争っているわけじゃない。予選と決勝をつなげられるようになれば、必ず結果はついてくるはずだ」

今週末の舞台、スパ・フランコルシャンは多くのドライバーにとって“お気に入り”のサーキットとして知られる。ボルトレートその一人だ。

「僕にとってもお気に入りの一つ。高速だけじゃなく、低速もあって、アップダウンもあるし、ラップが長いからドライバーの力がより問われる。いろんな走りが詰まっていて、ドライバーとしてすごく面白いサーキット」

ただ、スパのような天候の読めないサーキットでは、「判断ミス」が致命的になることも多い。前戦シルバーストンで多くのルーキードライバーがリタイアしたように、経験の少なさが露呈しやすい場面だ。

「F1のマシンはパワーも大きいし、ミスの許容範囲が狭い。F2やF3とはまったく違います。だからこそ、こういう難しい週末では、経験がものを言う」

2026年にはレギュレーションが大きく変わり、マシンも一新される。そんな中でも、ボルトレートは今のチームに希望を見ている。

「今シーズン中にここまでクルマを改善できていること、それ自体がチームにとって大きな成果です。未来に向けても、すごく前向きな気持ちでいる」

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