ビノット氏、古巣フェラーリに皮肉
フランスのスポーツ専門メディア『L’Équipe(レキップ)』のインタビューに応じたアウディF1プロジェクトリーダーのマッティア・ビノット氏が、かつて率いたフェラーリに対して皮肉を交えた発言を残した。
アウディはF1参戦初年度を順調にスタートさせている。開幕戦オーストラリアGPではガブリエル・ボルトレートが9位入賞。中国GPでも、16秒を要したピットストップのミスさえなければ、ニコ・ヒュルケンベルグのポイント獲得は確実だった。
スイス製シャシーとドイツ・ノイブルク製パワーユニットを武器に、アウディは中団グループの上位につけている。プロジェクトを率いるビノット氏は、先日『レキップ』の取材に応じた。
ビノット氏は1995年から2022年末までフェラーリでキャリアを築き、エンジン技術者から技術責任者、そしてチーム代表へと上り詰めた。しかし、2022年もタイトル獲得を逃したことでチームを去り、後任にはフレデリック・バスール氏が就任している。
アウディでの仕事を通じて、ビノット氏は「フェラーリとは働き方が異なる」とすぐに感じたという。
「ここでの役割は難しいというより、単にこれまでとは違う。仕事の文化が変わったんだ」
そして、フェラーリ時代の体制についても率直に言及した。
「フェラーリには明確なプロセスがなく、むしろ“試行錯誤”の連続だった。特定の目標を達成するための真の計画というものが存在しなかった。一方で、ドイツやスイスの文化が根付くアウディでは、まず“計画”ありきだ。私はその考え方を気に入っている。計画がなければ、理にかなった進め方はできないからだ」
また、かつてのフェラーリのような“スーパーチーム”を目指すのかと問われると、皮肉を込めてこう答えた。
「なぜ私がフェラーリを真似したいと思うんだ? 彼らは2008年以来、一度もタイトルを獲っていない。私はアウディで勝ちたい」
さらに、チームの長期構想についても明かしている。
「フェラーリを去る前に、比較できる事例はいくつか見てきた。ただひとつ確かなのは、F1での成功は一夜にして成し遂げられるものではないということだ。我々の計画は、最初の3年間でチームを構築し、次の2年間で実行に移し、その後タイトル争いに加わるというものだ。すでにマイルストーンとなるべき57以上のプロジェクトを立ち上げている」
計画性を重視するアウディが、この先どのタイミングでフェラーリを脅かす存在となるのか、注目が集まる。
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