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バルセロナテスト開幕、タイヤ選択に見える各陣営の思想

バルセロナテスト開幕、タイヤ選択に見える各陣営の思想

1月26日から、F1は本格的に2026年シーズンへ向けた準備段階に入る。舞台はバルセロナのカタロニア・サーキット。プレシーズンテストは5日間にわたって実施されるが、各チームに許される走行日は3日間のみだ。限られた時間の中で、どのドライバーを、どのタイヤで走らせるのか。その選択には、各陣営の明確な戦略と優先順位が表れる。

今回のテストで注目されるのが、ピレリが公開した「タイヤ配分」だ。各チームは最大25セットのタイヤを選択でき、インターミディエイトとレインタイヤはそれぞれ1セットずつが義務付けられている。それ以外は自由。つまり、どのコンパウンドに重点を置くかは、チームの開発方針そのものを映し出す。

レッドブルは“ソフト特化”、ハードは完全排除

最も極端な選択をしたのが、レッドブルだ。このチームは、最も硬いハードコンパウンドを、バルセロナでは一切使用しない。その代わり、ソフトタイヤを合計18セット用意した。

ミディアムタイヤはわずか1セット。そして、インターミディエイト4セット、レインタイヤ2セットという構成で、短時間の中でマシンのピークパフォーマンスと挙動を把握することを最優先していることがわかる。すでに基礎的な相関作業には自信があり、“攻めたセットアップ”を試す段階に入っていることがうかがえる。

レーシングブルズとハースは中短距離重視

姉妹チームのレーシングブルズは、ソフト12セット、ミディアム6セット、インターミディエイト5セット、レイン2セットを選択。データ収集とドライバー育成の両立を意識した、バランスの取れた構成となっている。

同様の選択をしたのが、ハースだ。ソフト13セット、ミディアム4セット、インターミディエイト6セット、レイン2セット。フェラーリ製パワーユニットとのマッチングや、レース距離を意識した挙動確認が主目的と見られる。

メルセデスは異例、マクラーレンは王者らしい余裕

一方、メルセデスは明確に異なる道を選んだ。ミディアムを完全に排除し、ハード8セット、ソフト12セット、インターミディエイト4セット、レイン1セットという構成だ。長距離走行と一貫性の確認に重きを置き、課題の洗い出しを最優先している印象を受ける。

対照的なのが、現王者マクラーレンである。ハードはメルセデスの半分に抑え、その分ミディアムを10セット確保。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリに、より幅広い条件での走行機会を与える狙いだ。マシンのベースが安定しているからこそ可能な、余裕のある選択と言えるだろう。

ウィリアムズ不在、そして天候という変数

なお、ピレリのリストにはウィリアムズの名前も記載されているが、同チームは今回のバルセロナテストに参加しない。開発プログラムの遅れが理由とされており、シーズン序盤への影響は避けられそうにない。

走行時間は毎日9時から17時までで、条件次第では1時間の延長も可能だ。予報では火曜日以降に天候が崩れる可能性も示されており、インターミディエイトやレインタイヤが実戦投入されるシナリオも現実味を帯びている。

バルセロナで選ばれたタイヤは、単なるゴムの選択ではない。そこには、各チームが今季をどう戦おうとしているのか、その“思想”がはっきりと刻まれている。

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