FP3、FIAの判断で混乱、アントネッリが激しいクラッシュ
メルボルンで行われたフリー走行3回目(FP3)の開始前、FIAの判断が大きな波紋を呼んだ。スピードゾーン4を廃止するという決定が発表され、パドックでは強い反発が起きたが、セッション開始直前になってこの決定は撤回された。
最終的には従来どおりの運用に戻された。FIAのレギュレーション担当者は、F1ドライバーとの協議と各チームのダウンフォースレベルのデータ分析を踏まえ、アルバート・パーク・サーキットのスピードゾーン4を削除する方針を決定していた。FIAのテクニカルディレクターは、安全上の懸念が理由だと説明したが、多くのチーム関係者はこの見解に同意しなかった。
チーム側はこの変更に強く反発した。というのも、この措置によって金曜日のフリー走行で行ったエネルギーマネジメントの作業が無駄になる可能性があったからだ。その結果、FIAは方針を撤回し、さらなるデータ収集のためFP3ではスピードゾーンを維持することを決定した。
チームにとっては安堵の判断だった。ターン8からターン11の間にあるスピードゾーンが削除されれば、その区間ではより多くのエネルギーを消費するだけでなく、ブレーキング時の速度が低くなることで回生できるエネルギーも減ってしまう。その結果、前日に組み立てたエネルギーマネジメント戦略が大きく狂う可能性があったからだ。
なおパドックでは、このスピードゾーンに批判的な意見を示していたのは、アウディの若手ドライバーであるガブリエル・ボルトレートだけだったとも伝えられている。
フォーミュラ3の事故でセッション遅延
FP3は予定より20分遅れて開始された。ただしこれはスピードゾーンの議論とは関係なく、直前に行われたF3で事故が発生し、ターン5のコースバリア修復作業が必要になったためだった。
最初にコースインしたのはフランコ・コラピントで、すぐに他のマシンも続いた。しかしセッションは長く続かなかった。開始から8分後、カルロス・サインツのウィリアムズがコース上でストップし、ピットレーン入口付近でマシンを止めたからだ。
まずバーチャル・セーフティカーが導入され、その後赤旗が提示された。
アントネッリが激しいクラッシュ
中断は約8分で終了し、セッションは再開された。アントネッリが一時トップに立ったものの、すぐにハミルトンが1分20秒176で首位に浮上する。
その後、前日のFP2で1分19秒729の最速タイムを記録していた地元ドライバーのオスカー・ピアストリがトップを奪う。しかしその直後、フェラーリのルクレールが1分19秒827を記録し、再び首位に立った。
だが残り15分で大きな事故が発生する。メルセデスの若手ドライバー、アントネッリがターン2でマシンのコントロールを失い、横向きのまま壁に激突した。
「僕は大丈夫だ」と無線で伝えたものの、マシンは大きく損傷。最初に横から衝突したあと、反対側の壁にもフロントから激突し、リアアクスルとノーズの両方が大きく破損した。
それでもアントネッリは、この時点までに18周を走行していた。一方、アストンマーティンのランス・ストロールは走行機会をほとんど得られなかった。内燃エンジンのトラブルにより、彼のマシンは終始ピットに留まっていた。チームメイトのアロンソは17周を記録している。
ラッセルが圧倒的トップタイム
セッション残り4分になると、ほとんどのドライバーが最後のアタックラップへ向かった。そこでメルセデスのジョージ・ラッセルが本領を発揮する。
テストやこれまでの走行で隠されていたW17のポテンシャルは非常に高く、ラッセルはアルバート・パークで1分19秒053を記録。2番手のハミルトンに0.6秒以上の差をつけ、FP3トップタイムをマークした。
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