ヴァスール氏、完璧な戦いでシンガポールGPで2年ぶりの勝利を目指す

フェラーリは今週末、11か月ぶりの勝利を目指してシンガポールに乗り込む。チーム最後の勝利は2023年、カルロス・サインツがマリーナベイで優勝した時に遡る。この舞台では、フェルナンド・アロンソが2010年に、セバスチャン・ベッテルが2015年と2019年に勝利を挙げており、チームにとって相性の良いグランプリといえる。
「シンガポールは常に、ドライバーだけでなく、ピットウォールやガレージにいるチーム全体にとっても最も過酷なレースのひとつだ」とチーム代表のフレデリック・ヴァスール氏は語る。「市街地のレイアウト、夜間レースという環境、そして高い確率で登場するセーフティカーが、このグランプリを大きな挑戦にする。予選は決定的な意味を持つため、全てのセッションを最大限に活用しなければならない。小さなディテールが結果を左右する」
また、チーフストラテジストのアダム・ニコルズ氏は、今年の大きな変更点を挙げた。ピットレーンの速度制限が時速60キロから80キロに引き上げられたことで、1ストップと2ストップの戦略バランスに影響を与える可能性があるという。
「シンガポールは常にストラテジスト泣かせで厳しいレースだ。私たちは数週間前から準備を始め、数千ものシミュレーションを実行し、セーフティカーのような不確定要素にも対応できるよう柔軟なプランを立てている」とニコルズ氏は説明する。
そのうえで、予選の重要性を強調した。「ここでは他のサーキット以上に追い抜きが難しいため、予選の結果がレースを大きく左右する。フリー走行2回目では、夜間のコンディションでC5コンパウンド(ソフトタイヤ)の理解を深めることに注力するでしょう」
ヴァスール氏は最後にこう締めくくった。
「F1では細部が勝敗を分ける。そこを正しく積み重ねることができれば、この潜在能力を結果に結びつけることができるはずだ」
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