ラッセル、カナダGPで今季初勝利、アントネッリは初の表彰台に

2025年F1カナダGP決勝がジル・ヴィルヌーヴ・サーキットで行われ、メルセデスのジョージ・ラッセルが見事な走りで今季初優勝、F1キャリア4勝目を飾った。レッドブルのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのキミ・アントネッリが僅差で続きいた。レースは終盤、残り3周というところで、オスカー・ピアストリとランド・ノリスのマクラーレン同士による接触により、セーフティカー先導のままチェッカーフラッグを迎えた。
ポールポジションからスタートしたラッセルは、フェルスタッペンの猛追を受けながらも首位をキープ。3コーナーではアントネッリがピアストリを交わして3番手に浮上。一方、後方では混乱を巧みに回避したハースのニコ・ヒュルケンベルグが順位を上げた。
レースは落ち着いた展開となり、各車がピットインのタイミングを見据えて、タイヤマネジメントを重視する中、フェルスタッペンが先にハードタイヤへ交換し、続いてラッセルとアントネッリもピットイン。トップ3の座は変わらず、戦略とペースの綱引きが続いた。
レース終盤、マクラーレンに2台による接触でサーキットの緊張感は頂点に達した。ランド・ノリスは異なるピット戦略でポジションを挽回し、チームメイトのピアストリに迫ると、67周目のピットストレートで無理な追い越しを仕掛けた。しかしこれが裏目に出てピアストリのリアに接触し、ピアストリはリタイアを余儀なくされた。この接触によりセーフティーカーが導入され、そのままレースは終了となった。このアクシデントの直後、インタビューの最中にピアストリを見つけたノリスはすぐに自らの非を認め、謝罪した。
フェラーリ勢にとっては苦しい一日となり、ルイス・ハミルトンはダメージを負ったマシンに苦しいレースを強いられた。シャルル・ルクレールは2ストップ戦略を採用したが、それが裏目に出て、無線で何度も不満を漏らした。
そのほか、ウィリアムズのアレックス・アルボンはマシントラブルでリタイア、ランス・ストロールはピエール・ガスリーとの接触によりペナルティを受けた。リアム・ローソンも青旗無視により処罰を受けるなど、波乱に満ちた一戦となった。そんな中でもアストンマーティンのフェルナンド・アロンソとヒュルケンベルグは堅実な走りでポイント圏内に食い込んだ。
ラッセルは、シーズンの流れを変える価値ある勝利を獲得した。一方、2位に入ったフェルスタッペンはダメージを最小限に抑え、アントネッリはF1デビューシーズンでついに初の表彰台を獲得し、3連連続ノーポイントからの復調の兆しを見せた。
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