ハジャー、2026年リセットを前にレッドブルの将来を見据える

レーシングブルズのアイザック・ハジャーは、ザントフォールトで自身初のF1表彰台を獲得した勢いそのままにイタリアGPへ乗り込んだ。まだ20歳のフランス人ルーキーは木曜日、2026年に予定されている大規模なレギュレーション変更が、自身にとってマックス・フェルスタッペンとレッドブルでチームメイトになるチャンスを広げる可能性があると語った。
「シーズン序盤には『今すぐレッドブルに乗る準備はできているのか?』と聞かれましたが、正直その時はまだ無理だと感じていた」とハジャーはレッドブル・エナジーステーションでの木曜恒例メディアセッションで語った。「でも2026年は別の話だ。新しいマシン、新しいルール、全員がゼロからのスタートになる。そんな時こそチームが正しい方向に進む必要があって、自分はその一員になれると思っている」
ザントフォールトでの3位で頂点に達したハジャーの急速な台頭は、彼をレッドブルの長期計画にしっかりと位置づけた。ルーキーはオランダでの週末を転機として説明した。「ずっと上手くやっていた。4位か5位でも既に良い結果に感じられたが、その後全てを最大化し、ミスなく表彰台を獲得した。それはケーキの上のチェリーのようにご褒美だった」と彼は言った。
「最高レベルでプレッシャーの下で仕事を完遂できることを示した」ザントフォールトでの3位表彰台は、ハジャーにとって大きな転機となった。「週末を通してすべてがうまくいっていた。正直、4位か5位でも十分だと思っていたが、全てを最大限に引き出してノーミスで表彰台に上がれたのは最高だった」と振り返る。「プレッシャーの中でも結果を出せることを示せた。最高レベルで戦える証明になったと思う」
レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコの反応について問われると、ハジャーは笑みを浮かべた。「彼は満足していた。それだけで大きな意味がある」
ただし昇格を既成事実のように語ることは避けつつも、その思いを隠さなかった。
「もちろん頭の中にはある」と認めた。「自分の役割は、良い結果を出し続けること。もし毎週負けていたら誰も真剣に受け止めてくれない。でも今のレベルを維持できればなぜダメなのか?」
さらに現代F1の基準とも言えるフェルスタッペンとのコンビについても率直に答えた。「もし彼の隣に座ることになれば、自分は順応する。クルマを操り、結果を出せると信じている。望むのはただひとつ、最高のチームで走ることだ。2秒も遅れて走りたいなんて思わない」
当面はルーキーイヤーの残りに集中するとしながらも、2026年に関する話題は近いうちに現実味を帯びると予想する。「まだ具体的な連絡はないが、近いうちに何か動きがあると思う」
このタイミングが注目される理由は、2026年からレッドブルがフォードと共同開発した新パワーユニットと、新しい空力規定でゼロからスタートするためだ。「2026年には“ナンバー2カー”なんて存在しない。全員にとって新しい時代の始まりだ。だからこそ最高のタイミングになるかもしれない」とハジャーは強調した。
もっとも、ハジャーが2026年にレッドブルへ昇格するとなれば、犠牲になるのは角田裕毅だろう。5年目のキャリアを迎える角田にとってはシート喪失の危機であり、その流れを止めるにはモンツァでフェルスタッペンと並んで表彰台に上がるような快挙が必要になる。実現は難しいものの、挑戦する価値は十分にあるだろう。
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