マルコ、ペレス退団にレッドブルが数百万ドルを費やしたと明言
レッドブル・レーシングのアドバイザーであるヘルムート・マルコが、セルジオ・ペレスの退団に際して同チームが数百万ドルを費やしたことを明らかにした。
2024年シーズン終了後、レッドブルはセルジオ・ペレスが4シーズンを経てチームを離れることを正式に発表。その後任として、リアム・ローソンが昇格することが決まった。
ペレスにとって、2024年シーズンは期待外れの結果となってしまった。ドライバーズランキングでは8位に終わり、シーズン後半の18戦で獲得したポイントはわずか49点にとどまった。
ペレスの退団に伴う交渉費用についてヘルムート・マルコは、「非常に大きな投資だった」とコメント。ペレスの長年の貢献に感謝しつつも、今後のチーム戦略のための重要な決断だったと説明している。
ペレス退団に関するホンダとの交渉の可能性
マルコがペレスの契約解除が非常に高額だったと明言した一方で、F1業界の内部情報筋によると、クリスチャン・ホーナーやレッドブルのトップマネージャーたちは、この財政的損失を補うため、ホンダの経営陣と交渉を行った可能性があるとされている。その目的は、ホンダが財政的な支援を提供し、2025年のシートに角田裕毅を起用する可能性を模索することだったとも言われている。
公式な確認はないが、ペレス退団に伴う大きな財政的負担が、ホンダとの交渉の存在を暗黙的に裏付けているとの見方もある。仮にホンダが角田のシート確保のために財政支援を行うべきだったのかという議論も浮上。純粋な才能を評価されるべきドライバーのキャリアに、こうした経済的要素がどのように影響するかは、F1の永遠のテーマと言えるだろう。
ペレス、退団の知らせに驚き
2024年シーズン序盤、ペレスは好調なスタートを切り、最初の5レースで4回の表彰台を獲得。しかし、中国グランプリで3位に入賞して以降、再び表彰台に上ることはなかった。この厳しいシーズンは、昨年のドライバーズランキング準チャンピオンという華々しい結果の後に訪れたものだ。
マルコによると、ペレスにとって退団の決定は完全に予想外のものだったという。
「ペレスは自分に契約があり、2025年も続けるものだと思っていた。そのため、この知らせは彼にとって驚きだっただろう」とマルコは語った。
さらにマルコは、ペレスが調子を取り戻すことを信じていたものの、チームはその復活が難しいと判断したことを明かした。
「彼は自身の調子を取り戻せると常に信じていた。実際、彼は我々とともに5回のグランプリで勝利し、一度は準チャンピオンにもなっている」
「しかし、その調子を再び取り戻すことができず、この環境では復活が難しいと判断された。そして、ここで別れることが最善だという結論に至ったのだ」
マルコによって明かされた通り、ペレスの退団にはチームが数百万ドルを費やし、レッドブル全体の財務計画に大きな負担を与えることになった。これは、2026年の新規則に向けたパワーユニットの開発に多大な資源を投入している時期と重なっている。
こうした財政的なプレッシャーは、2025年以降のレッドブルの競争力に対する懸念を引き起こしている。才能ある若手ドライバーであるものの、経験が不足しているローソンの昇格は、チームの見通しをさらに複雑にしている。一方、マクラーレンやフェラーリはドライバー陣を強化し、比較的安定した財政基盤を享受しているため、レッドブルはますます競争の激しいF1環境において不利な立場に立たされる可能性があるだろう。
さらに、この影響はジュニアチームである「レーシング・ブルズ」にも波及することが予想されている。
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