【ハンガリーGP】決勝後にマルコ博士がコメント「タイトル獲得は不可能」

2025年F1ハンガリーGPの決勝後、レッドブルF1のヘルムート・マルコ博士は、チームの惨敗を取り繕うことをしなかった。
マックス・フェルスタッペンが9位、ピットレーンスタートの角田裕毅が17位に終わった週末を受け、この長年のモータースポーツアドバイザーは「タイトル獲得など明らかに不可能だ」と率直な評価を下した。
ブダペストでのレッドブルの苦戦は、調子の落ち込みのどん底だった。かつてグリッドを支配していたフェルスタッペンに関し、「週末を通してトップから劣っていた」とマルコ氏は端的に総括した。「オーバーテイクが本当に困難だったから、1ストップの方が良かったと思う。そうすれば、マックスはたぶん6位か5位で終われただろう」
レース中、一時は1分19秒5台でリーダーたちのラップタイムに並んでいたフェルスタッペン。「2、3ラップは彼がリーダーたちより速いタイムを出していた」とマルコ氏は評価した。しかし、そのスピードは一瞬で、チームのタイヤ戦略は急速に破綻した。
マルコ氏は、レッドブルが何が間違ったかを理解していると話す。「タイヤの問題だ。タイヤが機能しなかった」
フェルスタッペンが「マシンに根本的な問題がある」と示唆したことについて問われると、マルコ氏は反論した。「いや、今週末だけだ。マシンの根本的な問題ではなく、ハンガリー特有のタイヤの問題だ」
早めのピットストップについて、「最初のストップではタイヤが完全に終わっていた。2回目のストップの後にオーバーテイクできると思った。最初の数ラップはスピードがあったが、その後は全然ダメだった」と説明した。
フェルスタッペンのタイトル獲得への期待は失われたものの、レッドブルは長期的な安定性と2026年に注目を向けている。フェルスタッペンが最近、チームに残留することを明言したことでいくらか安心感が生まれた。「大きな安堵だ」とマルコ氏は語った。「チーム全体が来年、彼により良いマシンを作ることに対し、本当に熱心になっている」
角田裕毅にとっては、再びフラストレーションのたまる結果だった。戦略的なパワーユニット交換によりピットレーンからスタートした角田。「コンポーネント交換は、シーズン後半の大きなグリッドペナルティを避けることを狙ったものだ」とマルコ氏は説明した。
また、マルコ氏は角田のパフォーマンスを再び擁護した。「彼はこれまでになくマックスに近づいていた」と予選ペースについて語った。「マックスから10分の1秒遅れていただけだった。残念ながらQ1で脱落してしまったが、彼は向上し、進歩している」
角田裕毅の2026年のレッドブルでの将来はまだ疑問視されている。しかし、少なくともメキース代表が側にいて、マルコ氏が公然と彼を擁護しているのは明らかだ。
角田はレース後、夏休みの過ごし方について「メンタル面での休息とトレーニングに集中したい」と話した。
【関連記事】
- 角田、フラストレーションを語る「自分のコントロール外だった」
- マルコ博士、予選不振に「タイヤが全く機能しなかった」
- 【ハンガリーGP】予選結果― ルクレールがポール、角田は16番手
- 【ハンガリーGP】金曜日レポート―レッドブルの抱える問題とは
- 【ハンガリーGP金曜日】角田のコメント「バランスよりグリップが問題」