【メキシコGP】フェルスタッペン失速、ノリスが圧巻のポールポジション―角田は惜しくもQ3進出逃す
2025年メキシコGPの予選は、澄み渡る青空と熱気に包まれた雰囲気の中で行われ、シーズン終盤のタイトル争いに新たな展開をもたらした。
レッドブルの角田裕毅は、プレッシャーの中でも再び落ち着いた走りを見せ、13番手でQ1を突破。マックス・フェルスタッペンからわずか0.2秒差だった。両ドライバーは後のセッションに備えて新品セットを温存するため、使用済みソフトタイヤでアタック。角田は無線で「ブレーキングでかなり不安定だ。コーナリング後のような感覚がある」と報告し、中速コーナーでの持続的なバランス問題を指摘した。
オープニングセッションでは、ボルトレート、アルボン、ガスリー、ストロール、コラピントが脱落した一方、レーシングブルズの両者は印象的だった。ルーキーのアイザック・ハジャーはQ1でトップタイムを記録してパドックを驚かせ、チームメイトのリアム・ローソンもP6と僅差で続き、チームの目覚ましいペースを示した。

Q2では、角田が1分17秒019でスタートし、フェルスタッペンの序盤のタイムより約0.2秒遅れた。最終ラップで1分16秒816に更新したが、再びフェルスタッペンより0.2秒遅かった。そして、ハジャーが100分の1秒上回り、角田はわずかな差でトップ10入りを逃した。一方、フェルスタッペンはP4でQ3に進出。オコン、ヒュルケンベルグ、アロンソ、ローソンが脱落し、ローソンはルーキーのチームメイトに遅れをとった形だ。
最終セッションでは、レッドブルにとってほとんど救いがなかった。期待されたフェルスタッペンの追い上げは実現せず、マクラーレンのランド・ノリスが決定的なポールラップを記録。その後にフェラーリのシャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンが続いた。メルセデスのジョージ・ラッセルが4番手に入り、フェルスタッペンは5番手に沈んだ。レッドブルは週末を通じてグリップとセットアップの問題を抱えており、日曜日の決勝に向けて答えを探している。

レッドブルとフェルスタッペンにとって期待通りの日ではなかったが、チャンピオンシップ争いは依然として続いており、決勝に向けて巻き返しのチャンスを残している。
レッドブルにとっての唯一の救いは、現在ドライバーズランキング1位のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)も苦戦し、8番手に終わったことだ。決勝の結果次第では、フェルスタッペンはピアストリとの差を縮めるだけでなく、ランキング2位争いに加わる可能性も見えてくる。
予選後、ヘルムート・マルコ氏は「フェラーリの決勝のレースペースは予選ほど強力ではない」と示唆。フェルスタッペンのセットアップはよりバランスが取れると予測している。それでも、4番手スタートのラッセルは手強い存在となりそうだ。ただし、フェルスタッペンがクリーンサイドのグリッドから発進できる点は、スタート直後にポジションを上げる助けとなるだろう。

角田にとって、わずか100分の1秒差でQ3進出を逃したのは残酷な運命だった。しかし、予選での着実な進歩とフェルスタッペンとの差を縮める能力は、彼のポジティブな上昇傾向を示している。決勝では10番手スタートとなるが、グリッドのダスティサイドに位置するため、オープニングラップは厳しい戦いになる見通しだ。それでも、最近の週末で見せる安定したレースクラフトとペースを考えれば、ポイント獲得圏内でのフィニッシュは十分に狙えるだろう。
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