マドリードGP計画、市民から強まる懸念の声

カルロス・サインツJr
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マドリードで2026年に予定されているF1初開催をめぐり、地元で反発が広がっている。来年9月のカレンダー入りが決まったこのイベントに対し、市民団体「Stop Formula 1 Madrid」は「地域の暮らしよりもショーが優先されている」として抗議活動を展開している。

現在建設が進む新サーキット「マドリング」は、真夏の暑さの中で作業が続く一方、反対運動も勢いを増している。市民の間では「過去にモータースポーツで繰り返された財政的な失敗と同じ道をたどるのではないか」という懸念も根強い。開催まで残り1年となり、経済効果を狙う動きと環境や生活への不安が正面からぶつかり合っている。

このプロジェクトは自治体の強い支援を受けており、マドリード出身のF1ドライバー、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)がアンバサダーを務めている。

「ここは私たちの街、サーキットじゃない」

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予定されているコースはバラハス地区のIFEMA展示場周辺を利用した全長5.47km。市街地の道路と専用区間を組み合わせ、22のコーナーを配置する。さらに、闘牛をイメージしたバンク角のついたコーナーも特徴で、最高速度は時速340kmを超える見込みだ。

建設は2025年4月にスタートし、サインツや州首相イサベル・ディアス・アユソらが出席する式典で着工が祝われた。しかしその後も市民の反発は収まらず、デモが行われている。

住民からは、騒音や環境破壊、日常生活への影響を心配する声が多い。彼らは「得をするのは一部の人だけで、迷惑を被るのは住民全員だ」と主張している。

さらに反対派は、2008年から2012年にかけて開催されたバレンシアのヨーロッパGPを例に挙げる。7年間の開催予定は果たせず、最終的には約2億5500万ポンドもの負債を残した。

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サインツは「オーバーテイクが増えるようなコースにしたい」と語り、設計段階から関与する意欲を示している。さらに、今年6月にはデモ走行も行った。主催者は経済効果や国際的な注目度を強調ている。

一方で、住民の反発は組織的に広がっており、街を世界にアピールしたい主催者と、長期的な負担を危惧する市民との対立は深まるばかりだ。

初開催まで残り1年。マドリードの新サーキット「マドリング」でのレース開催は叶うのだろうか。

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