「シンガポールで競争力を証明」マルコ氏が見たレッドブルの前進

レッドブル・レーシングのシニアアドバイザー、ヘルムート・マルコ博士が、珍しく楽観的な表情を見せた。
予選でマックス・フェルスタッペンが2番手、角田裕毅が15番手につけたあと、マルコ氏はフォーミュラ1でもっとも過酷なサーキットの一つでチームが競争力を取り戻したと語った。
「マクラーレン勢を上回り、ここで強さを発揮できたことは心強い」とマルコは土曜の夜に語った。「これは残りシーズンに向けて自信を与えてくれる」
フェルスタッペン、ポールポジション逃す
フェルスタッペンはポールポジションを狙えるペースを見せていたが、最終セクターでランド・ノリスと遭遇し、わずかにタイムを失った。
「残念だった。マックスは自己ベストを1.5秒も更新していたが、最終セクターでノリスにブロックされた。意図的だったかは分からないが、ポールを逃した。我々の計算では非常に僅差だった」とマルコ氏は説明した。
それでも、フェルスタッペンの2番手という結果は、これまで苦戦してきた低ダウンフォースのトラックでの進歩を示している。
「大きな疑問は、マシンがここで最大ダウンフォース時に機能するかどうかだった。今回、それが機能することが分かった。それが我々を再び争いの場に戻してくれた」とマルコ氏は語る。
アプローチの転換
マルコ氏は、この改善を単なるアップグレードの成果ではなく、「哲学の変化」によるものだと強調した。
「小さな改良や新パーツはいくつもあったが、本当の前進はアプローチの違いにある。シミュレーションの数値だけを信じるのではなく、エンジニアとドライバーが直接意見を交わし、すべてのサーキットで戦える妥協点を見つけたんだ」
角田は後退
角田について尋ねられたマルコ氏は、より慎重な態度を示した。角田は予選第2セッションを突破できなかった。「ユウキは予選第1セッションで向上し、6、7秒遅れただけだったが、その後後退した」とマルコ氏は述べた。「彼はトラフィックに巻き込まれたので、我々が期待したほどではなかった」
ライバルとの戦い
また、マルコ氏はメルセデスを最大の脅威として挙げた。
「今回もメルセデスが最強のライバルだ。アントネッリは非常に速く、セクターをまとめられればフェルスタッペンより上に来ていたかもしれない。特にセクター1のストレートでは、我々が最もタイムを失っていた」
それでもマルコ氏は楽観的だ。
「マクラーレンの前でフィニッシュできれば、それで成功だ。チャンピオンシップ争いが三つ巴になる可能性すらある」と語り、チームの勢いに手応えを見せた。
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