フェルスタッペン、5連覇ならず─わずか2点差でノリスに王座譲る
マックス・フェルスタッペンにとって、2025年シーズンは激しいタイトル争いの末に悔しさの残る結果となった。フェルスタッペンはドライバーズチャンピオンシップでランド・ノリスにわずか2ポイント差で及ばず、2位でシーズンを終えた。
驚異的な速さを示した一方で、安定感を武器にしたマクラーレンと、レッドブルRB21を襲った予期せぬ信頼性問題が重なり、5年連続の世界タイトル獲得はならなかった。
激戦の幕開け
フェルスタッペンは開幕戦から圧倒的な強さを見せ、最初の5戦の内、3回の表彰台(オーストラリア、日本、サウジアラビア)を獲得する好スタートを切った。しかし、シーズンが進むにつれてマクラーレンが急速に戦闘力を高め、かつてのルイス・ハミルトンとの対決以来とも言える、激しいタイトル争いが展開された。ノリスとの一騎打ちは熾烈を極め、ポールポジションと優勝の多くを両者が分け合った。フェルスタッペンはシーズン8勝に加え、最多となる8回のポールポジションを獲得し、その純粋な速さを改めて証明したのだ。

敗北を決定づけた瞬間
タイトル争いの行方を左右したのは、オーストリアGPでのリタイアだ。スタート直後、フェルスタッペンはメルセデスのキミ・アントネッリと衝突。レースは突然終わりを告げ、ポイント獲得のチャンスを失った。最終的に2点差で決着したシーズンを考えれば、このリタイヤが決定的だったと言える。
また、ノリスのチームメイトでドライバーズランキング3位に入ったオスカー・ピアストリの安定した走りも、フェルスタッペンにとっては大きな障壁となった。
さらに、ハンガリーGPではノリスが首位に立つ一方で、フェルスタッペンは9位に後退。これにより、シーズン中盤でチャンピオンシップ首位の座を明け渡すこととなった。
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シーズンの終焉
フェルスタッペンはラスベガスでの戦略的勝利と、最終戦のアブダビでも力強い走りを披露した。しかし、アブダビでノリスが表彰台を獲得したことで逆転は叶わず、フェルスタッペンは421ポイントで2025年シーズンを終えることになった。
5連覇は逃したものの、このシーズンがフェルスタッペンの卓越したスピードと不屈の闘争心を改めて印象づける1年であったことは間違いない。
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