フェルスタッペン、宣言を覆す完勝 — オースティンでスプリント&決勝を制覇

「今シーズンはもう勝てない」そう公言してからわずか数週間後、マックス・フェルスタッペンは自らの言葉を見事に覆してみせた。レッドブルのドライバーは、オースティンで開催されたスプリントとアメリカグランプリの両方で勝利を収め、完璧な週末を締めくくった。これはローラン・メキース新体制のもとでの次なる勝利であり、シーズン序盤の苦戦を経て再びその支配力を示す結果となった。
レース後、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでのフェルスタッペンは、勝利の喜びというよりも安堵の色をにじませていた。「今日は素晴らしいスタートが切れたし、また1周目がカギだった」とフェルスタッペン。「最初の数周はとても良いペースで走ることができ、多くのマシンをオーバーテイクできた。スプリントも決勝も楽しめたし、自信を持って走れた週末だった」
この勝利は、オランダグランプリ後に落胆し「今季の勝利はもうないだろう」とまで口にしていた時期からの、劇的な転換を意味する。
「もしあのとき“また勝てる”って誰かに言われていたら、きっと頭がおかしいと言っていただろうね」とフェルスタッペンはFIA記者会見で皮肉を交えつつ振り返った。「でもチームは、本当に素晴らしい仕事をしてくれた。再び“生き生きとした”マシンを僕に与えてくれたんだ」
週末の自己評価も、彼らしく率直だ。
「今週末は両レースでしっかりポイントを獲得できたので、全体的にはポジティブだ」と語る一方、「今日のペースも悪くはなかったけど、特に2回目のスティントはもう少し上手くやれたはず」と自己批判も忘れなかった。
連勝を達成したフェルスタッペンだが、視線はすでに次戦以降へ向けられている。
「この先のレースでもポイントを積み重ねる必要があるし、とくにショートランの改善が課題だ。そこでは苦戦してきた」と分析。「それが今の焦点。しっかり取り組んで、メキシコ以降のショートランで全てをまとめたい」
一方で、フェルスタッペンの陰で注目を集めたのがチームメイトの角田裕毅だ。スプリントと決勝の両方で7位フィニッシュを果たし、コンストラクターズ争いにおいて貴重なポイントを持ち帰った。安定したパフォーマンスとクリーンなレース運びはチームにも高く評価され、メキース代表は「今季の角田にとって最も完成度の高い週末のひとつ」と称賛している。
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