フェルスタッペン「まだ運も必要」 マクラーレン失格で再燃したタイトル争いに意欲
ルサイルのメディアペンに姿を見せたマックス・フェルスタッペンは、今季の荒波をくぐり抜けてきた時と同じ落ち着きを保っていた。しかしラスベガスでのマクラーレン2台の失格により、久々にタイトル争いの流れが自分へ向き始めたことは明らかだった。
フェルスタッペンは帰路の機内で失格の知らせを受けたという。
「調査中だということは知っていた」と語りつつ、裁定が正式になった瞬間については淡々としていた。
「低すぎれば低すぎなんだ。議論はいろいろあるだろうけど…言い訳はできない」
この裁定により、ランド・ノリスとの差は42点から24点へ大幅に縮まり、オスカー・ピアストリとは同点に。残り2戦で、これまで閉ざされていたタイトルの扉がわずかに開いた。
「差は少し縮まった。それは受け入れる。でも全部勝っても、多少の運は必要だ。何も変わらない。全力でいくだけだ。失うものはないからね」と語った。
後半戦の復活劇
ザントフォールト後に100点以上の差を背負っていた頃、タイトルの可能性を信じていたかと問われると、フェルスタッペンは即答した。
「家に帰って『終わったな、選手権からチェックアウトだ』と思ったよ」と明かした。
しかしレッドブルの後半戦アップグレードとライバルの失点が状況を一変させた。
「クルマへの理解が進んだ。アップグレードも効いた。そして結果を最大化できていた」と振り返る。
こうして迎えた終盤は、ノリス、フェルスタッペン、ピアストリの三つ巴という稀なタイトル争いとなった。過去のタイトル戦が“2台の一騎打ち”か“独走”だったフェルスタッペンにとっても異例の構図だ。
ノリス有利のためにチームオーダー導入を求める声もあるが、フェルスタッペンは断固拒否した。
「レースをさせる以上のやり方なんてない。もし走るなと言われたら、そもそも来ない。『ふざけるな』と言っているよ」
タイトルは再び息を吹き返した。
フェルスタッペンは準備万端だ。そして、こう言い切った。
「自分のやり方でやるだけだ」
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