マクラーレン、バクーでコンストラクターズ選手権のマッチポイントに
F1シーズンは今週末、バクーの市街地コースで2025年のカレンダーの最終3分の1へ突入する。マクラーレンは、モータースポーツ界で最も権威あるタイトルであるコンストラクターズ選手権を手にする絶好のチャンスを抱えてアゼルバイジャンへ乗り込む。
マクラーレンはフェラーリに対して337ポイントの大差を築いており、一定のポイントを獲得すれば2年連続の栄冠をこの地で決めることができる。残り8戦のグランプリと3戦のスプリントでライバルが獲得できる最大得点は389ポイント。つまり、このアゼルバイジャングランプリが決戦の舞台となる可能性が高い。

シナリオは明確だ。もしランド・ノリスとオスカー・ピアストリが1-2フィニッシュすれば、タイトルは即座に確定する。勝利と3位の組み合わせでも、数学的に他チームが追いつけない状況を作れる。仮に勝利を逃したとしても、フェラーリより9ポイント多く稼ぎ、メルセデスを11ポイント以内に抑え、さらにレッドブルに32ポイント以上の差をつければ、コンストラクターズチャンピオン獲得は決まる。
それでも、チーム代表アンドレア・ステラ氏は慎重な姿勢を崩さない。
「予測不能な展開を生むトリッキーな市街地サーキットですから、あらゆるシナリオに備えている」とステラ氏は語る。「バクーは技術的にも極めて要求が高く、ドライバーには驚くほどの正確さが求められる。勝利を狙えるチームは複数ある」
ステラ氏にとって、この週末は単なるタイトルを賭けた一戦を超えた特別な意味を持つ。
「昨年、オスカーがここバクーで挙げた勝利が我々を選手権首位に押し上げた」と彼は振り返る。「だからこそ、このレースはマクラーレンにとって常に特別なものなのだ」
日曜日に再び歴史が繰り返されるかどうか。それはマクラーレンのシーズンの行方だけでなく、F1における当面の勢力図までも決定づけることになりそうだ。
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