マクラーレン、昨年のタイヤ苦戦を経てラスベガスGPでの巻き返しを図る
ラスベガスGPが再び、マクラーレンにとって新たな注目を集めている。同チームは昨年この地で味わった苦い経験によって、今なお強い印象を受けている。過去2回の大会は、異例の低温コンディションによる深刻なタイヤグレイニングに見舞われ、ドライバーたちは数周だけ競争力のあるペースを引き出せたものの、その後はパフォーマンスが急激に落ち込んだ。2024年には、メルセデスがこの混乱を生かして圧倒的なワンツーフィニッシュを飾った。
2025年も同じ展開になるかどうかはまだ分からない。今シーズンのピレリコンパウンドはグレイニングへの耐性が大きく改善されており、スタート時刻の前倒しによって路面温度もこれまでよりわずかに高くなる見込みだ。各チームは現在「まったく異なるパラメータセット」に向き合っており、勢力図が大きく変わる可能性が高まっている。
マクラーレン、より明確な理解を持って帰還

マクラーレンにとって、ラスベガスGPはマシンパッケージの弱点が露呈してきた場でもある。同チームは2024年に深刻な苦戦を強いられ、タイヤ温度を十分に上げられず、ほぼ即座にグレイニング段階へと陥った。低グリップで冷えた路面という条件は、マクラーレンにとって最も苦手なシナリオの一つを強調し、週末をシーズンでも最難関の一つに変えてしまった。
チーム代表のアンドレア・ステラは、マクラーレンが2024年大会を「徹底的に」検証し、低迷につながったあらゆる要因を分析したと強調している。今年の変わった条件、改善されたタイヤの耐久性と調整されたレーススケジュールにより、昨年パフォーマンスを落とした要因がもはや当てはまらない可能性があると考えている。その結果、チームの見通しは大きく改善している。
ノリスの勢いが競争バランスをシフト

楽観的な見方を最も後押ししているのがランド・ノリスだ。彼は3連勝の勢いを持ってラスベガスGPに入り、マシンとの一体感も高まっている。最近の活躍によって、彼はチャンピオンシップを左右する存在の一人として確固たる地位を築いており、パドック内でも「今週末もチームメイトのオスカー・ピアストリに対して優位に立つだろう」という期待が高まっている。
一方のピアストリはより難しい課題に直面している。ラスベガスサーキットの特殊な要求——冷えた舗装、低速コーナーへの進入、そして素早いタイヤウォームアップの必要性——は、彼の得意分野と必ずしも噛み合わない。一貫性やペースで改善を見せられなければ、再びノリスの後塵を拝するリスクがあり、その展開は残り2戦でのチャンピオンシップ争いを事実上決定づけてしまう可能性がある。
重要な週末を前に
より安定したタイヤ挙動が予想され、昨年と比べて根本的に異なる条件のもと、マクラーレンは未完の仕事という思い、そしてチャンスを携えてストリップに到着する。かつてラスベガスGPをつまずきの石と見なしていたチームは、今ではそこをノリスが勢いを広げ、タイトル争いにおける地位を固められる場所と見ている。
もしそれが実現すれば、2025年ラスベガスグランプリは、眠らない街におけるマクラーレンの復活と、今シーズン終盤に向けたシャンパンランの両方を象徴する週末となるかもしれない。
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