マルコ氏、スペインGP予選「3位と最下位は期待外れ」

2025年F1第9戦スペインGPのの厳しい予選セッション後、レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏は、チームのパフォーマンスについて率直な分析を語った。マックス・フェルスタッペンがP3を確保した一方で、角田裕毅がグリッド最下位に沈むという明暗が分かれる結果となった。

「3位と最下位は合わない」マルコ氏はチームの心境を端的に表現した。

金曜日の走りが期待できるものだっただけに、予選への期待値が高かったことを認めた。

「金曜日は比較的競争力があった。だが、最下位に終わるのは失望だ」

週末を通じて安定していた角田は、予選で予想外にペースが上がらなかった。マルコ氏は次のように指摘した。

「彼はセクター1で大幅に遅れていた。実際、全セクターでペースが足りなかったが、セクター1が最も極端だった。ただし公平に言えば、それはマックスにとっても最も弱いセクターだった」

マルコ氏はマシンのポテンシャルを考えると明らかに失望していた。

「かなり期待はずれだ。金曜日は良い調子に見えたが、今日のセクター1ではかなりタイムを落とした。3位と最下位は残念だ」

角田は、イモラでのクラッシュで損傷したアップグレード版フロアの代替品がないため、以前と同じフロアを使用していることを認めつつも、角田に対しての不満を見せた。

「角田はアップグレードなしの前と同じフロアにいくつかの小さな調整を施しただけだ。我々が気づいたのは、マシンが進化しても角田は必ずしも一緒に進歩しないということだ。角田はセットアップ変更に適応するのに時間がかかる。すぐに対応できるマックスとは違って」

最後に、今後のドライバー計画について聞かれたマルコ氏は、決定するには時期尚早だと述べたが、アイザック・ハジャーを称賛した。

「決断を下すのはまだ先の話だ。しかし、より多くのジャーナリストがアイザック・ハジャーのポテンシャルを認識し始めているのは良いことだ。皆が疑問視していたが、彼は堅実にパフォーマンスを発揮している。ほぼ全セッションでトップ10に入っている」

ただし、近い将来に決定が下されることはないと明言した。

「夏休み後に決定を下す。今は急いでいない。そして必要に応じてスケジュールを変更することも可能だ」

レッドブル自体のパフォーマンスは、ラップの最終部分で強い兆候を示した。

「セクター1、特にターン4でタイムを失った。しかし励みになるのは、セクター3で最速だったことだ。これはタイヤが距離に対してより良く持ちこたえることを示している。これには良い結果が期待できる」

それでも、特に暖かい条件下でのタイヤの挙動は一貫していなかった。

「温度が高くなればなるほど、長いコーナーでグリップを築くのが困難になる。しかし一方で、ミディアムでセクター3最速なら、それは我々がまだ完全に理解していない何かだ」

「ミディアムでは競争力があった。これは良い兆候で、明日は3つのコンパウンド全てが利用可能だ。これが重要になる可能性がある」

日曜日を見据えて、フェルスタッペンのP3スタートの課題を指摘した。

「長いストレートとスリップストリームがあるから、ここではP3は理想的ではない。ターン1が鍵になる」

フェルスタッペンの最後のフライングラップについて、マルコ氏は評価した。

「彼は素晴らしいセクター3をまとめた。我々がそこでパープルを出したのは初めてだったと思う。これは彼が限界まで押し上げたということだ」

Q3では暗い雲がサーキット上空に垂れ込めていたが、マルコ氏は実際の雨の心配はなかったと明かした。

「不吉に見えたが、レーダーでは雨なしと言っていた。ただし、あれほど暗いと、いつも少し厄介になる」

マルコ氏はピットレーンでの運営上の問題も批判したものの、全体的には、マルコ氏は以前の苦戦と比較して進歩の兆しを見ている。

「またもやガレージを出るのに15秒の遅れがあった。これは続けるわけにはいかない – 何かを変えなければならない」「FP3後に見えていたよりもずっと近づいている。まだ弱点はあるが、モナコではマクラーレンに7分の7秒差をつけられていた。今は3分の3秒差だ。セクター1を修正すれば、すぐそこにいる」

今すぐの選手交代はないと明言はあったものの、今回の決勝は角田選手の今後を大きく左右すると言えるだろう。最下位からスタートの決勝での行方に注目だ。

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