セバスチャン・ベッテル、現役復帰の可能性は?「まだ完全には否定していない」
2022年をもってF1を去ったセバスチャン・ベッテルは、当時から“復帰の可能性は消していない”と語っていた。その姿勢は今も変わっていないようだ。四度の世界王者は、適切な機会が訪れれば再びハンドルを握る可能性を示唆した。
ベッテルは昨春、アラゴンでハイパーカーのテストを実施。ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのポルシェ963をドライブし、118周・581kmを走破した。17年間戦い続けたF1マシンとの違いを語り、WEC(世界耐久選手権)のチームスポーツ性を高く評価していた。
当時から「復帰を完全否定しない」と述べていたベッテルだが、その考えは今も同じだ。
Formula1.comのポッドキャスト『Beyond the Grid』で、現役復帰を完全に排除するかと問われると、
「分からない。まだ完全には書き消していない」と答えた。
昨年のポルシェテストについては、こう振り返る。
「テストさせてもらって、本当に楽しかった。もちろんF1とは違うが、そもそもそう期待していたわけではない。耐久レースではクルマを共有し、よりチームスポーツになる。その部分に魅力を感じた。F1は、基本的に互いを倒しにいく世界だからね」
さらに、WECに興味を抱く理由をこう語った。
「チームでクルマを共有すること、その一体感、そして耐久性が問われるところが魅力的。正直、良い機会があれば…どうなるかは分からない。ポルシェとは話したけれど、最終的に実現はしなかった。でも可能性は否定していない。歳は重ねているが、まだ“老い”ではない。スポーツが好きだから体も良い状態だよ」
一方で、現在の生活に満足している点も強調した。
また、F1を恋しく思う瞬間はあるものの、すべてではないという。
例えば鈴鹿で予選を見守った際には「コクピットにいたい」と感じたというが、
「日曜に満タンの燃料とタイヤマネジメントを抱えて走る姿を見たら、その部分は恋しくなかった」と語った。
現役復帰は依然として未定。しかしベッテルの言葉からは、“完全否定はしていない”という柔らかな余白が残されている。
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