アブダビGPプレビュー:マクラーレン最速マシン vsレッドブルの“モンスター”

top three fight abu dhabi
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2025年のF1世界選手権は、日曜のアブダビGP、ヤス・マリーナでついに決着を迎える。マクラーレンとレッドブルは、まったく異なる哲学と緊張感を抱えながら最終戦に乗り込み、タイトル争いは残された1レースの勝負となった。

コース特性だけを見れば、優位に立つのはマクラーレンだ。MCL39は中高速コーナーで最も強さを発揮し、アブダビはまさにその組み合わせ。大きく弧を描くロングコーナー、リズムよくつながる高速セクション、さらに、マシンの安定性と回頭性が求められるレイアウトだ。カタールでのオスカー・ピアストリの圧倒的な速さは、セットアップが合った場合のマクラーレンの競争力を明確に示した。

しかし、レッドブルとマックス・フェルスタッペンを侮ることはできない。

ヘルムート・マルコ氏は「マクラーレンが明確な本命」という見方を真っ向から否定し、レッドブルはアブダビで「少なくとも互角に戦える」と強調した。そこには根拠がある。フェルスタッペンはカタールで最新スペックのPUを使用していない。あえて旧型エンジンを投入し、最もフレッシュでパワフルなPUをアブダビに温存したのだ。タイトル獲得のためには両マクラーレンの前でフィニッシュする必要があり、そのための綿密な準備である。

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とはいえ、総合的には依然としてマクラーレン寄りの状況だ。コース適性、改善されたタイヤマネジメント、あらゆるコーナータイプで発揮される高い競争力。しかし心理的ハードルは高い。2人の若手は共に初めてのタイトル決戦に臨んでおり、カタールで再燃した「パパイヤ・ルール」への議論もプレッシャーを増幅させている。日曜夜、マクラーレンの2人のうち1人は確実にタイトルを逃す。そして最悪の場合、2人とも逃す可能性もある。

対照的に、レッドブルの構造は極めて明確だ。全員がフェルスタッペンを中心に動き、序列に迷いはない。内部議論も二分された戦略も存在しない。マクラーレンとは真逆の体制であり、タイトル決戦でレッドブルが歴史的に強さを発揮してきた要因でもある。

■ 注目ポイント

レッドブルが温存したPUによって期待通りのパフォーマンスを発揮し、フェルスタッペンがカタールで欠いたフロントのグリップを取り戻せば、ポールポジション獲得も十分に視野に入る。そこで情勢は一変する。ヤス・マリーナでは常にトラックポジションが鍵を握り、フェルスタッペンはこのコースで強力な実績を持つ。

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グラウンドエフェクト時代最後の予選は、この2年間のライバル関係の集大成となり、一つの賭け、一つのミス、あるいは完璧なセットアップ変更が世界王者を決める可能性を抱えている。

戦略面では、両陣営とも明確だ。

マクラーレンは最速のマシンを持つ。

レッドブルは勝負強さを持つ。

日曜夜、生き残るアプローチはただ一つだ。

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