【イギリスGP】トト・ウルフが「壊滅的だった」と語るメルセデスの戦略ミスとは

走行中のジョージ・ラッセル(メルセデス)
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メルセデスは積極的なタイヤ戦略が裏目に出て、シルバーストンでの獲得ポイントはわずか1ポイントに終わった。

レッドブルリンクでのペナルティにより、10番手スタートとなったキミ・アントネリは、インターミディエイトタイヤでレースに臨んだ。一方、チームメイトのジョージ・ラッセルは自身の希望で、練習走行終了時にピットインし、ハードタイヤに履き替えた。しかしその2周後、コンディションの好転を見込んだチームは、アントネリもスリックタイヤに交換するためピットへ呼び戻した。

この2つの判断は壊滅的だった。チームの一日は悪い方向へ、そしてついには最悪の事態へと向かっていく

「ドライバーはチームの一員です」とレース後にトト・ウルフは語った。「私たちは皆、同じ船に乗っています。マシンとチームが最初に下した判断は、完全に間違いでした」ウルフは、ラッセルのスリックタイヤへの時期尚早な切り替えについて認めた。「それがキミのピットストップを引き起こし、私たちを地獄のスパイラルに陥れました」

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メルセデスチーム代表のトト・ウルフ
メルセデスチーム代表のトト・ウルフ

「キミのポジションを考えれば、戦略を分けて彼をコースに留めるべきだった。そうすれば、前にいたニコ・ヒュルケンベルグの位置にいたはずだ。もちろん、これは素晴らしい走りを見せたニコの功績を否定するものではない」

ラッセルにインターミディエイトタイヤを履かせた後、チームはレース終盤でハードタイヤへ変更した。これもまた、悲惨な判断となった。

「金曜日の悪いコンディションを考えると、インターミディエイトタイヤはもたないだろうと判断し、結果的にマシンに合わないタイヤを履かせてしまった」とウルフは説明した。「これもまた悪手だった。そして明らかに、2回目のピットストップは最初よりもさらに状況を悪化させ、それが決定打となってしまったのだ」

「最初にピットストップをしたことは、それ自体は愚かな判断ではなかったと思う。ラッセルは『25分間はドライコンディションだった』と主張した。だが、私たちが知らなかったのは、その後に15分間もバーチャルセーフティカー入ったことだった」

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「バーチャルセーフティカーが終了されたとき、私たちはインターミディエイトタイヤを履いたドライバーたちより5秒も先行していた。もしこのタイム差をすべて活かせたなら、彼らを追い抜けていたかもしれない。ところが、その後に雨が降り始めると、それがまさかの土砂降りとなり、すべての状況が私たちに不利に転じてしまったのだ」

【左】角田裕毅(レッドブル)、【右】ジョージラッセル(メルセデス)
【左】角田裕毅(レッドブル)、【右】ジョージ・ラッセル(メルセデス)

「この状況で安全策を取っていれば、無難な結果は得られただろう。おそらく4位にはなれたはずだ。もちろん、4位で満足だったかといえば、そんなことはない。私たちは大胆になりたかった、勇敢になりたかった。だから、リスクを伴う決断を下した。だが、それが結局、大きな代償となってしまった」

「この時点では、ラッセルのマシンはあまり速くなく、追い越すこともできなかったため、ガスリーの後ろで動きが取れない状態だった」とウルフは説明した。「そしておそらく、ラッセルはより良い結果を求めて、他のチームとは真逆の戦略を選びたかったのだろう」

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