角田、進路未定のまま最終局面へ 「フラストレーションはない」と冷静
木曜に取材に応じた角田裕毅は、2026年の去就が依然として不透明な中でも落ち着いた様子を見せ、ここ数戦で続いた不運や混乱について率直に語った。2025年シーズンは残り2戦。来季のシート発表がないまま終盤を迎えているが、角田は「フラストレーションはない」と強調する。
「いつからか正確には覚えていないが、今季の早い段階からこうなると分かっていた。だからイライラはしていない。ドライバーとしては、自分のベストを示して戦うだけだ」と冷静に状況を受け止めた。
最近のパフォーマンスと“ブラジルの異質さ”

角田は、夏休み以降のパフォーマンスについて「概ね良かった」としながら、「ブラジルは少し奇妙だった」と振り返る。
「チームとしても苦戦していたと思う。全体的には自信もあるし、マシンへの理解も進んでいる」
また、オースティン、ラスベガスでは流れは良かったものの、いずれも予選で自身に非のないトラブルに見舞われ、週末が崩れてしまったと認めた。
そして、「今やっていることを続けて、それらをうまくまとめるだけだ」と述べた。
フェルスタッペンへのサポートとチームの空気
タイトル争いを続けるマックス・フェルスタッペンを支える役割について問われると、角田は「まだ具体的な指示はない」としつつ、「予選次第。もし僕が後ろを走るなら、何をすべきかは理解している」と冷静に語った。
フェルスタッペンのラスベガス勝利後のチームの雰囲気については、「みんないいムードだった。正直、僕以外はね」と自嘲気味にコメント。ただ、マクラーレンの失速によりコンストラクターズ2位争いが再燃しており、「まだチャンスはある。エキサイティングな週末になる」と前向きな姿勢を見せた。
リザーブ案は否定「何も考えていない」
2026年に向けてリザーブドライバーへの後退が選択肢かと聞かれると、角田は明確に否定した。
「まだ何も計画していない。方向性がない中で考えるつもりもない」
日本のファンへの思いと重圧
自身の不安定な立場を気にかける日本のファンについては、深い感謝を示した。
「サポートには本当に感謝している。ファンの皆さんも僕と同じくらい苦しんでいると思う。タフな状況を跳ね返して、また一緒にいい瞬間を共有できれば」
残り2戦となった今も、角田の進路は公には決まっていない。しかしこの日、彼は焦りを見せることなく、自らの役割に集中していた。パフォーマンスを示し、チームを支え、2026年もF1グリッドに値することを証明するために。
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