【アメリカGP】木曜日メディアデー、角田裕毅のコメント

角田裕毅 アメリカGP
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ロングランでは確実な進歩を見せた角田裕毅。しかし、シンガポールではショートランや不運な状況では慎重さが求められ、思い通りにいかない場面も。

以下はアメリカGP木曜日のメディアデーでの角田裕毅がメディアに向けたコメントだ。

Q:ヘルムート・マルコは「メキシコ」を進歩の基準として挙げています。
サマーブレイク後のご自身のパフォーマンスをどう振り返りますか?
シンガポールの週末を含め、マルコの期待に応えられたと感じますか?

A:自分としては良い形で進歩を見せられているとは思います。
それがヘルムート(・マルコ)が求めている水準に達しているかどうかは、正直わかりません。

彼がどんな基準を設定しているのかもよくわかりませんが、少なくとも自分なりに前進しているとは感じています。
特にロングラン(長いスティント)での改善はかなり大きく、状況をほぼ“ひっくり返す”くらいのステップを踏めたと思います。
その点ではとてもポジティブです。

ただ、ショートラン(予選など)ではまだ少し課題が残っています。
でも、そこをうまくまとめられるようになれば、良い結果が出せるはずです。
ロングランのペースはすでに十分あるので、あとは週末全体で「ショートランもロングランも」うまく噛み合うことが重要だと思っています。

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それは少しずつ良くなってきていて、毎レース新しいことを学んでいます。
できるだけ早く、すべてを最適化してひとつにまとめたいと思っています。

まだマルコが想定しているような明確な結果を示せたとは言えませんが、
少なくとも“正しい方向”に進んでいるとは言えると思います。

Q:ロングランで「状況をひっくり返せた」と話していましたが、
その反動でショートランに影響が出たのでしょうか?
それとも、まだ週末全体でうまくまとめきれていないだけでしょうか?

A: うん、そうですね。そっちの方が近いです。
「ひっくり返した」と言ったのは、あくまでロングランに限った話なんです。

2戦前までは、ロングランのペースがまったくダメで、おそらくグリッドの中でも最悪レベルだったと思います。
でも今はだいぶ理解できてきて、ペースも理にかなってきました。

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もちろん、マシンのパッケージ差やレースごとの条件を考慮すれば、マックス(フェルスタッペン)とのラップタイム差も、今は納得できる範囲にあります。

シンガポールではあまりそれを見せることができませんでしたが、それはほとんどの時間をトラフィックの中で走っていたからです。
ただ、クリーンエアを得て、ハードタイヤでほぼ最長スティントを走った時は、かなり競争力のあるペースでした。

一方で、直近2戦のショートランでは少し苦戦しています。
主な原因はタイヤのウォームアップ(温まり)で、自分のアプローチがレーシングブルズとはかなり違うんです。
そのせいで最初の段階では少し苦労しましたが、最近は改善のヒントをつかみつつあります。

Q:今シーズン、自分に課した目標は達成できていますか?
4月にマシンに乗り始めたときより、難しさを感じていますか?

A:そうですね。
マシンに乗る前と比べると、確かに当初はここまでポイント争いが厳しいとは思っていませんでした。

でも同時に、レースペース面でここまで大きなステップアップができたのは、自分の想像以上でした。
しかも、それを比較的短い期間で達成できたというのは、自分でも驚いています。

ただ、本当に大変でした。
多くのレースで取り組んできましたが、なかなか改善できず、
特にタイヤのデグラデーションにはずっと苦しんでいました。
これまで経験したことのないような状況も多く、それがすごく難しかったです。

でも、ここ数戦でマシン側と自分自身の両方にいくつか変更を加えたことで、
ようやく自分が“こうありたい”と思っていたレベルに近づいてきたと思います。

その意味では、全体的なスピードも進歩のペースも、
自分が当初思い描いていた期待値どおりか、あるいは少し上回っているくらいだと思います。

もちろん、シーズン序盤にマシンへ戻った時点では、
まさかこんなにポイントを獲得するのが難しいとは思っていませんでしたけどね。

Q:シンガポールではマックスとフロントウイングの仕様が異なりましたが、今週末は同じ仕様です。
マックスのマシンに導入された新パーツが、あなたのチームに届くまでタイムラグがあるのは方針なのでしょうか?

A:そうですね、たぶん(多少の差は)あると思います。

ただ、スパ以前に自分が使っていた仕様と比べれば、
今はだいぶ良くなっているので、その点では満足しています。
実際のところ、それほど大きな差ではないはずです。
もっとも、実際にそのパッケージを自分で使ってみるまでは何とも言えませんけどね。

シンガポールのものについては、理論上はそれほど大きな違いではないかもしれませんが、
自分がシンガポールで感じていたマシンの制限(弱点)の一部を、
マックスが使っていた新しいパッケージは確実に改善していると思います。
なので、その効果を軽く見てはいけないですね。

とはいえ、どのチームも新しいパーツを投入しようと懸命に取り組んでいますし、
特に予算制限がある中では、それも理解できます。

スパのときと比べれば、マックスと自分の間のマシンの差は今はそこまで大きくありません。
それについては満足していますし、今はそうした“機材差”よりも、
自分自身のパフォーマンス向上にフォーカスできているのが何より嬉しいです。

Q:シンガポールでの走りについてですが、
あの時は、今のあなたの立場――つまり“何かミスをしたくない”という状況が影響して、
結果的にリスクを取らず、安全側に振った走りになった、ということですか?

A:難しいですね、正直。

自分の立ち位置から考えると、ほとんど“失うものがない”状態でのスタートでした。
シンガポールではオーバーテイクが難しいことはわかっていたので、
どうしても1周目で何とか抜きたいという気持ちはありました。

とはいえ、決して無茶をしようとしたわけではなく、かなり慎重に走っていました。

ただ、やはりコーナーのほとんどで、インやアウトに行こうとすると、
ブレーキをかけるタイミングが思ったより早くなってしまい、
外側の相手にほとんどのコーナーで先に出られてしまいました。
それが課題です。

こうしたポジショニングやブレーキに対する自信の欠如は、
タイヤのウォームアップ状態も影響しているかもしれません。
もちろん、マシン側の特性も多少は関係していますが、それはごく小さな影響だと思います。

Q:全体的に、ミスを避けるプレッシャーがブレーキになっていますか?
序盤のクラッシュやマシンの仕様・セッティングの不利も影響していますか?

A:うーん、いいえ、でも責めるつもりはありません。
正直言って、これは言い訳にはならないです。
自分はいつも、常に心がけています。

F1を始めた時から、1周目でアウトになりたくない、という状況は常にありました。
特に、マシンが競争力のある仕様で、後方からでもポイント争いできる状況では、
慎重になるのは当然です。

ただ、今はそれに慣れていますし、
実際のところ、多くのレースではポジションを失うよりも、むしろ順位を上げることが多いです。
正直言って、ポジションを失ったのは、ここ数戦でおそらくあの1レースだけでした。

なので、シンガポールで起きたことも、個人的には“そういう不運な出来事”だったと思っています。
トラックポジションや状況、特に湿ったコンディションなど、予期しない要素が影響しました。

それでも、先ほど言ったように、改善できる部分はいくつかあります。
今回はウォームアップの面で課題があったので、次回はそこを改善して、
より良い状況でレースに臨めることを期待しています。

角田裕毅は、サマーブレイク後の自分の成長と課題を率直に語った。
ロングランでは大きな進歩を遂げ、状況をひっくり返すほどの手応えを感じている一方で、ショートランや序盤のポジション取りではまだ課題が残ると認める。
それでも、慎重さやマシンの仕様差、予期せぬ不運などを前向きに受け止めながら、毎レース改善に取り組んでいる姿勢は揺るがない。
角田自身も「多くのレースで順位を上げられている」と話すように、不利な状況でも前向きに挑戦を続け、次戦への手応えを感じている。

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