フェルスタッペン、タイトル争い巡るアントネッリの謝罪に冷静対応「君を責めるつもりはない」
マックス・フェルスタッペンは、2025年F1最終戦アブダビGP後、キミ・アントネッリから直接受けた謝罪に対し、落ち着いた姿勢で応じた。
フェルスタッペンは、ヤス・マリーナ・サーキットでポールポジションから優勝を飾った。しかし、3位でフィニッシュしたランド・ノリスがドライバーズランキングで上回り、フェルスタッペンはわずか2ポイント差で、2021年から続いていた王座を明け渡す結果となった。
アントネッリの謝罪は、シーズン最終盤のカタールGPでの出来事に端を発している。ルサイル・インターナショナル・サーキットで、アントネッリはノリスに対してポジションを守り切れず、その結果ノリスは4位でフィニッシュ。追加で2ポイントを獲得した。このポイントが、最終的にタイトル争いの決定打となった。
ただし、仮にこの場面がなかったとしても、マクラーレンはアブダビでノリスのタイトル獲得を最優先する戦略を採っていたと見られている。2位だったオスカー・ピアストリの前に出す判断がなされていた可能性も高く、アントネッリのミスが最終結果にどこまで影響したのかについては、議論の余地が残る。

カタールGPでの一件は大きな波紋を呼び、フェルスタッペンのレースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼ氏はチーム無線で疑問を呈した。また、ヘルムート・マルコ氏もパドックで批判的な姿勢を示していた。
一方で、意図的な行為ではなかったにもかかわらず、アントネッリはSNS上で殺害予告を含む激しい中傷の標的となった。レッドブルはこれを強く非難し、FIAも19歳のドライバーに向けて1,100件以上のヘイトスピーチ報告があったことを受け、声明を発表している。
そうした状況の中、アントネッリはアブダビGPの58周を走り切った後、フェルスタッペン本人と直接話をすることを望み、4度の世界チャンピオンに謝罪した。その際、フェルスタッペンは静かに次のように答えたという。
「心配しないで。すべて問題ない。君を責めるつもりはないよ」
タイトルを失う結果となったシーズンの幕切れにおいても、フェルスタッペンは若きルーキーに対し、冷静かつ寛容な姿勢を示していた。
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