フェルスタッペン、エストリルでメルセデスAMG GT3をテスト
4度のF1世界王者マックス・フェルスタッペンが、ポルトガルのエストリル・サーキットでメルセデスAMG GT3のテストに参加した。サポート役として現地入りしたのは、メルセデスAMGのワークスドライバーであるジュール・グーノンだ。
今季F1最終戦から1週間余りを経て、フェルスタッペンは再びサーキットに姿を見せた。今回エストリルで走らせたのは、メルセデスAMG GT3。F1王者が同車を本格的にテストするのはこれが初めてとなる。
マシンを運用したのは2 Seas Motorsport。同チームは2025年シーズン、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ耐久カップにおいて、Verstappen.com Racing名義でアストンマーティン・バンテージGT3を走らせ、クリス・ルーラム、ティエリー・フェルミューレン、ハリー・キングのトリオでゴールドカップ王者を獲得している。

今回のテストにより、パドックで以前から囁かれてきた噂がさらに現実味を帯びた。Verstappen.com Racingが、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパでメルセデスAMG GT3へスイッチする可能性だ。GTレースの世界で高い評価を受ける2 Seas Motorsportが引き続き運用を担い、将来的にはプロクラスへのステップアップも検討されているとされる。
エストリルでは、レッドブルカラーをまとったVerstappen.com RacingのメルセデスAMG GT3が2台走行。車両にはフェルスタッペンの象徴でもある33番と333番が付けられていた。また比較のため、フェルスタッペンはフェラーリ296 GT3にも乗り込み、9月にニュルブルクリンク耐久シリーズで総合優勝を飾ったマシンとの違いを確かめる走行も行っている。
テストでは、メルセデスAMGのワークスドライバーであるジュール・グーノンがフェルスタッペンをサポートした。グーノンは2022年のスパ24時間レースを制し、2022年と2023年にはGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ耐久カップのタイトルを獲得。2025年にはDTMでフルシーズン参戦を果たしている実力者だ。
グーノンが関与したことにより、2 Seas MotorsportがプロクラスでメルセデスAMG GT3を走らせる可能性も注目を集めている。アンドラ国籍で参戦するフランス人ドライバーであるグーノンが、ワークスドライバーとしてチームの中核を担う存在になる可能性も否定できない。
なお、フェルスタッペンが2026年にニュルブルクリンク24時間レースへ参戦するかどうか、またその際にどのGT3マシンを選ぶのかは、現時点では明らかになっていない。本人は同レースへの出場をGTキャリアの大きな目標のひとつと公言しており、フェラーリ296 GT3での耐久レース初参戦では圧勝を飾った。一方で、新F1レギュレーション初年度となる2026年に向け、F1への集中を理由に参戦を2027年へ延期するとの見方もある。ただし、今回のテストや今後の動向次第では、その計画が再び動き出す可能性もありそうだ。
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