【ベルギーgP】角田裕毅「データ上では向上している」― 記者会見全容

2025年F1ベルギーGPを前に、木曜メディアデーの記者会見にて質疑応答に応じた角田裕毅。チーム代表の電撃交代や、今後の展望、今週末のマシンのセットアップなどについて話した。
以下は記者会見の質疑応答の全容である。
Q. スマホは見つかりましたか?
「いや、まだだけど、何人かから僕のスマホを見つけたというメッセージがあった。もしまだ動いているなら『iPhoneを探す』で見つけられるはずなんだけど、ある地点を過ぎると機能しなくなる。確認したら動作していなくて、電波もなかったから、おそらくコモ湖の深いところにあるんだと思う」
Q. 2つのチーム内での経営陣の変更について
「あまり僕から言えることはないけど、クリスチャン(・ホーナー)がこれまでの数レースで僕をサポートしてくれたことに感謝している。それと、昨日彼からメッセージをもらったんだ。『できるうちに、君にできる限りのことをやりなさい』みたいな、いいメッセージだった」
ローラン(・メキース)については、彼がVCARBにいた時から知っていて、一緒によく働いていた。今シーズン初めは、パフォーマンス面でいいスタートを切れていたし、僕らの間には多くの信頼関係があった。だから、彼とまた一緒に働けることを楽しみにしている。
アラン(・パーメイン)については、さっき会って祝福の言葉をかけた。彼は確実にやる気に満ちているし、どうやってやっていくのか見るのが楽しみだ」
Q. ローランは昨年からあなたを高く評価していました。彼と働いた経験から、何を楽しみにしていますか?彼の強みは何でしょうか?
「彼はシーズン中盤でリーダーとしてレッドブルに加わったばかりで、まだ2週間しか経っていない。だから、まだ何も本格的に何かが変わったわけではないと思う。チームの関係性はおそらく似たようなもので、次の数戦で様子を見て、彼が何をできるかを見ることになるだろう」
「でも、少なくとも僕らは良い関係を築けている。気兼ねなく話すことができるし、関係性に適応したり新たに築いたりする必要がないのは良いことだ。さっき彼と一緒にパドックに入ってきて、ごく普通の会話をした。VCARBに戻ったようで、でも違うチームシャツを着ているだけ、という感じでクールだよ」
Q. クリスチャンの退任について驚きましたか?新代表のメキース氏がレッドブルに持ち込める最大の資質は何でしょうか?
「確かに予想外だった。こんな大きな変化だからね。過去20年間、レッドブルはクリスチャンと一緒にスタートして、いつも彼と働いてきた。チームにとって大きな変化だと思う」
「正直に言うと、僕はまだレッドブル・レーシングの全体像を理解している最中だ。何年もここにいて、レッドブル・レーシングのすべてを知っているわけではないから、すべてを語ることはできないと思う。でも、ローランはVCARBで見つけたもの、この2年間で行った利益やポジティブなことをレッドブルに持ち込んでくれると確信している」
「新しい人が入ってきて、新しい視点や角度を見ることができるのは良いことかもしれない。彼がこのチームにどうアプローチするか見てみよう。でも同時に、僕らには既に多くの優秀な人材がいて、彼らは自分たちのすべきことをよく知っている。僕は彼らに対しても大きな信頼を持っているし、ローランに対してもそうだ。次の数戦で様子を見て、彼の視点からどんなものを持ち込まれるのかを見てみよう」
Q. 今週末は新しいフロアを使用しますか?
「いや、使用する予定だったけど、昨日聞いた話では使わないことになったみたいだ。チームはアップグレードを得るために懸命に働いているけど、今週末の時点ではまだ数パッケージ遅れている。でも、今持っているもので可能な限りパフォーマンスを引き出すつもりだ」
「今のグリッドは本当にタイトで、そういった細かいことが重要になってくるから簡単ではないけど、もちろんベストを尽くすよ」
Q. クリスチャンが解任されたことやその説明について、いつ・誰から知らされましたか?
「ヘルムート(・マルコ氏)から、解任の当日に教えられた。それについてはそれくらいしか言えない。僕はドライビングに集中しているから、決定については僕が関わる部分ではない。もっと集中しなければならないことがあるからね」
Q. セットアップについて ― 2週間の休みの間、エンジニアと話したり、シミュレーターで走行したりしましたか?最近のレースでは独自の方向性でセットアップを進めることが奨励されていましたが、今週末もそれを続けますか?
「セットアップについてはうまくいっている。レースごとにより快適になってきている。正直なところ、シルバーストーンのパフォーマンス、特にショートランは本当に良かった。結果を見るとそうは見えないかもしれないけど、パッケージの違いを考慮すると、実際にデータ上では、Q2でのマックスとの差を考慮すると、それなりに良かった」
「あそこではエンジンの問題もあって、10分の1秒を失った。それがQ3進出を阻んだ。それがなければ、マックスとQ2での差は、パッケージの違いを考えると、妥当なレベルだったはずだ」
「だから、正直に言うと良くなってきている。ただ、このタイトなグリッドでは、500分の1秒でも大きく影響する。僕らはこんなにタイトなマージンで戦ったことがない。P5からP20まで本当に僅差で、僕がコントロールできない0.05秒や0.03秒を失うだけで、既に10ポジションやそれ以上を失ってしまう」
「でも、今持っているもので可能な限りベストを尽くして、そこに到達しようとしている。学び続けて、パフォーマンスし続ける。それが僕にできることのすべてだ」
Q. マルコ博士が、あなたと激しい議論があったと話していました。その議論についてコメントできますか?そしてRB21の問題を解決するための今後の計画は?
「どの議論について話しているのか分からない。僕らはいつも議論をしているから。でも、議論はするけど、同時に彼も間接的に僕をサポートしてくれて、チームメンバーに対しても僕を助けるよう伝えてくれる。議論からは何かが生まれるから大切なことだ。彼は僕が必要としているものを認識して、何かを提案してくれたり、より良くするためのツールをくれたりする」
「自分から言えることは、僕はスピードを失っていないということだ。明らかにスピードを持っているし、だからここにいる。同時に、今は本当にタイトなフィールドだというのは良いことでもあるけど、細かいことが重要になってくる。僕はまだ7戦目で、マシンへの自信は100%ではない。以前のVCARBでのマシンを上回る、同等のレベルにすらまだ達していない」
「僕がコントロールできないこともある。500分の1秒の差でも、マックスのクルマや他の要素を考慮すると、大きく違って見える。でもデータ上で見ると、実際には悪くない。だから一生懸命働き続けるけど、同時にスピードは失っていない。実際に、ロングランペースでは数回良くなっているし、マックスから学んだテクニックもある」
「ドライバーとして、自信を持って言えるのは、以前より良いところにいるということだ。だから、特にこの非常にタイトなグリッドで、すべてがついてくる必要がある」
Q. 公式記者会見で、メキース氏が彼の最大の強みの一つは実際にドライバーを理解すること、ドライバーと話すこと、ドライバーのフィードバックを理解することだと述べていました。彼との経験で、これからこういった点が助けになると思いますか?
「そう思う。クリスチャンが何も知らなかったというわけではないけどね。彼はマシンについて多くのことを知っているし、ドライバーからも多くのフィードバックを得ている。でも確実に、ローランも元エンジニアで、それが彼の強みの一つだ」
「彼は一貫して、毎セッション後に現在の制限が何なのかを理解しようとしていた。そして、僕が指摘した特定の部分について、必ず該当エリアの担当に直接連絡を取っていた」
「その反応の早さ、そして彼のエンジニアリング面からの具体的なフィードバックの理解と取得は、かなり強力だった。彼がここでも同じことをしてくれると確信しているし、うまくやってくれると思う」
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