角田裕毅「誤解されたくない、レッドブルのためにパフォーマンスを見せている。」
・アップグレードパッケージを数週末で使用してみて、どうですか?パフォーマンス向上は明らかですか?Q3を争うクルマになる自信はありますか?
「正直なところ、まだわからないんだ。幸い、シンガポールと鈴鹿ではチームとしていいパフォーマンスを発揮することができた。それは良かった。でも鈴鹿は正直なところ、少しアップダウンがあった。フリー走行ではかなり苦しんだ。予選では力強く挽回することがでけど、Q3にいくのは簡単じゃなかった。どうなるか様子を見るつもりだけど、今のところ一歩前進だという気持ちがある。」
・その安定感という点では、運転しやすい感じですか?
「そうだと思う。」
・マシンのレースペースはシーズン序盤よりも向上していると感じていますか?
「レースペースは全般的に良かったと思う。僕らのクルマはシーズン全体を通して、これまでのところ、レースペースにアドバンテージを見せることができていると思う。」
・アルファタウリは今でもグリッド上で最悪のクルマでしょうか?
「そういうわけではない。でも、僕たちはまだ本当にタイトなところにいるんだ。正直なところ、もう少しパフォーマンスが欲しい。トップ10圏内で戦えるという自信を持ちたい。でも間違いなく前半戦よりは自信がある。悪くなってはいないと思う。」
・いい走りができれば、コンストラクターズ7位はまだ射程圏内だと感じていますか?
「まだ可能性はあると思う。かなり厳しいのはわかっているけどね。何が起こるかわからないから、もしそこから何か引き出すことができれば、まだチャンスはあると思う。まずは明らかに9位を倒さなければならない。前半戦よりも多くの材料があるから、かなり楽観的に考えている。それに今は将来が安定しているから、全力を注げるし集中できる。」
・まだ2週間しか経っていないけど、プレッシャーが少しは軽くなった?
「そうだね。プレッシャー自体は同じようなものだったけれど、最終的には自分が何をしなければならないかが分かっているから、大丈夫なんだ。でも、そうだね。それはいいことだ。」
・今週末は新しいコースで、プラクティスが1回しかない。どうでしょう?
「難しいのはカーブだと思う。アグレッシブなカーブに変更されたようだからね。白線から外れるとペナルティが課されるみたいだし、クルマにダメージを与えるリスクが高そうだ。それがおそらく最大のポイントだ。そこに気をつけなければならない。」
・シミュレーターは試しましたか?
「火曜日にシミュレーションをした。でも、本当にアグレッシブなコースで、エンジニアはみんなそれを気にしていた。」
・今週末はフェルスタッペン選手がチャンピオンになる可能性が高いですが、どうですか?あのレベルに到達するために、あなたは彼の何を見習うことができるでしょう?彼のどんなところが際立っていますか?
「正直なところ、同じクルマでドライブしてみたい。クルマが違うから、ドライビングの違いについて言うのは難しいかな。僕にとって最も印象的なのは一貫性で、たとえばオランダとか、そういう難しいコンディションにどう適応していくかだ。コースコンディションが変わるのはご存じのとおり、ハーフウエット、フルウエットと、彼は常に限界に挑んでいる。ドライビングやパフォーマンスとして、レッドブルに到達するために私が取り組まなければならないのは、そこなんだ。ドライコンディションや予選でのドライビングやパフォーマンスに関しては、今のところ大きな差はないと思うよ。」
・この1年のあなたの進歩について少し話していただけますか?
「シーズン前半は、特に安定した走りが出来たことに満足しているかな。難しいコンディションで、クルマのパフォーマンスも難しい状況だったけど、マシンの限界と改善点を知ることができた。後半戦は、ここ4戦はまともなレースができなかったから、何とも言えないけれど……。でも、それでもマシンをかなり進化させることができたのは良かったと思う。前半戦のパフォーマンスと、ニックやダニエルを含めたフィードバックがなければ、このようなパフォーマンスはできなかったと思うから、とても満足しているよ。」
・リカルド選手とペレス選手のシートについても色々噂があって注目されていますが、レッドブルとの会話の中で、彼らがあなたにも注目しているように感じますか?
「正直なところ、そうであってほしい。まずはレッドブルに誤解されたくないんだ。僕はアルファタウリにいて、16歳からレッドブルと一緒にいるんだ。 16歳はちょっと言い過ぎだったかな……。アストンマーティンのためではなくレッドブルのためにパフォーマンスすることに集中しているんだ。だからそれは誤解されたくない。つまり、もし僕が他のドライバーよりもいいパフォーマンスを見せれば、彼らはもっと僕のことを気にかけてくれるだろう。もしそうでなかったとしても、彼らが何を考えているかは理解できる。だから、自分のパフォーマンスを見せることができたら、もう少し、いやもっと、注目してもらいたいな。」
・誤解というのはどういう意味ですか?
「ホンダとアストンマーティンはパートナーシップを結ぶことを発表した。レッドブルは僕がもうアストンマーティンにいくと思っていると思う。でも、とにかく自分の最大限のパフォーマンスを見せなければならない。レッドブルに入るための本当の材料が自分にあることを確信させるためにね。」
・普段からソーシャルメディアは気にしていますか?
「そうでもないかな、ただ、時間がないし、スマホもあまり好きじゃないから……。スマホを使うのにはかなり億劫だしね。色々な意見や噂が、翌日あるいは数秒で大きく変わってしまっているし。」
・ アストンマーティンとホンダの状況は、角田選手がレッドブルに価値を証明することを難しくしていると思いますか?
「ホンダの立場として、彼らが言っているのは、日本人ドライバーとして成功できる限りは……ということだと思う。日本人ドライバーがいつか成功するのであれば、彼らは私がどこに行こうが構わない。なぜなら彼らは、 日本人ドライバーが成功することを望んでいるのだから。だからホンダはどのチームであろうと気にしない。アストンマーティンとか、そういうことにこだわっているとは思わない。」
・タイムマシンがあるならF1のどの年に戻りたいですか?
「2021年かな。シーズン前半に何が起こったかもわかっているから、早めに修正できるからね。」
・昨シーズン、あなたが今年に向けて改善したいと言っていたことは進歩していますか?満足していますか?
「もちろん、常に改善の余地はあるし、まだ取り組んでいるところだ。 まだ100%の手ごたえを感じているわけではないし、おそらく100%の手ごたえを感じることは今後もないだろう。でも、ステップアップしたことには満足しているし、各レースでいいパフォーマンスを発揮する方法もわかっている。そうだね、楽しいと思っているし、自分のステップに満足しているよ。ルイスやマックスに比べれば、まだまだ改善の余地はあるけどね。でも今は、このような一歩一歩のプロセスに満足しているんだ。それぞれのステップで、なぜこのステップを踏んだのかがわかるからだ。だから、この調子でシーズンの残りをプッシュし続け、来年に備えたい。」
・日本GPはどうでしたか?
「素晴らしい経験だった。特に予選では、ファンの応援がすごかったのを感じたよ。各セッションで感じたのは、声援の大きさとファンのエネルギーだ。多くのファンの前でQ3にも進めたし、とても良かったと思う。」
・トヨタの平川選手がマクラーレンでリザーブドライバーとして契約したことを発表をしていましたが、それについてはどう感じましたか?
「いいえ、特にありません。とにかく僕はホンダが僕のことをとても気にかけてくれているのがわかるし、ホンダファミリーが好きだからね。」
・日本GPでは起業家の前澤氏と会う機会がありましたよね?どう感じましたか?
「ああ、いい人だったよ。」
・一緒に月にいきたいですか?
「 ははは、いや、やめときます。」