アストン責任者「困難でも2026年逃げず」

アストンマーティンの技術部門責任者アンディ・カウエルは、2025年型マシン開発と2026年に向けた長期計画について語った。現在のマシンは自社風洞以外で設計されたものであり、風洞・CFD・トラック間のデータ差異を理解することに重点を置いていると説明。特に2024年型マシンは「研究室」と位置づけ、シミュレーション精度の向上に活用している。
オーストラリアGP以降は完全に自社風洞に依存し、目指すのはツールと実走データの一致。目標は、マシンをトラックに投入した際にシミュレーション通りに機能させること。開発の精度を高め、2026年の規則変更に向けて着実な前進を図っている。
ニューウェイの影響、2026年マシン開発に反映
カウエルは、チームの長期的な焦点が2026年マシンの開発にあることを明かし、エイドリアン・ニューウェイがその設計に100%専念していると語った。モノコックやトランスミッションには厳しい設計期限がある一方で、ニューウェイは風洞やCFDなどの開発ツールの使い方にも挑戦し、技術的貢献を行っている。
ニューウェイは今季のマシン設計には直接関与していないが、カウエルはその経験が運用プロセスの改善に大きく役立っていると評価した。ニューウェイの競争心と、重要な要素を見極める直感が、開発の質を高めているという。
2026年PU新規則を受け入れ
カウエルは、電動化の拡大とコスト上限を含む2026年のパワーユニット規則について、変化によるリスクを認めつつもその方向性を支持した。効率的なエンジン設計と大幅なハイブリッド化の継続が可能になったことに対して前向きな評価を示し、「変更にはコストがかかるが、持続可能性のある方向性だ」と述べた。
また、自動車業界との技術的関連性を維持する意義も強調。これまでにないパワーユニット開発のコスト制限下での取り組みが行われており、「我々はそれを実現しており、今のところ順調に進んでいる」と語った。
ホンダ(HRC)との協力
カウエルは、2026年からのパワーユニット供給パートナーであるホンダレーシングコーポレーション(HRC)との強固な連携を強調し、「鈴鹿の後、ローレンスと共に桜を訪れた。素晴らしい協力関係だ」と語った。やるべきことは多いが、それに取り組む十分な時間があり、ポジティブな関係が築かれているという。
アストンマーティンは、技術投資をトラック上の成果へと転換するために奮闘しており、カウエルはその道が容易でないことを認める一方で、挑戦から逃げない姿勢を強調。「誰もが困難な状況にあるが、私たちは変化を受け入れ、前進し続ける」と語った。
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