マルコ氏、フェルスタッペンの将来に言及「調和が失われれば去るが、今はその時ではない」
ヘルムート・マルコ氏は、自身のレッドブル離脱発表後、マックス・フェルスタッペンのチーム残留について率直な見解を示し、その将来を巡る憶測を落ち着かせた。
オーストリア出身のマルコ氏は、約20年にわたりレッドブル・レーシングで要職を務め、セバスチャン・ベッテルやフェルスタッペンといった世界チャンピオン、さらにダニエル・リカルドを含む計20人のドライバーをF1へと導いてきた。しかし今回、モータースポーツアドバイザーの職を離れることが正式に発表された。
フェルスタッペンの現行契約は2028年まで有効だが、その長期的な将来については、これまでもたびたび注目を集めてきた。2024年初頭には、クリスチャン・ホーナー氏を巡る騒動のさなか、フェルスタッペン自身が「マルコがチームを去るなら、自分も去る可能性がある」と発言し、両者の強い結びつきが浮き彫りになった。また契約には、チャンピオンシップで一定の順位に届かなかった場合に離脱できる条項が含まれており、2025年にはその条件を満たしていた。

こうした背景の中で、フェルスタッペンがマルコ氏の退団を機にレッドブルを去る可能性について問われると、マルコ氏は明確に否定した。
「いいえ」とマルコ氏は断言する。「マックスは成功したいだけでなく、調和のとれた環境で成功したいと考えている。それが失われたと感じれば、彼は一晩で去る。ただし、彼はまだそれを選ぶには早すぎる」
さらにマルコ氏は、自身の退団をフェルスタッペンに伝えた際の反応についても明かした。
「彼はすでに少し悲しんでいた。我々は一緒に過ごした素晴らしい時間を振り返った。今シーズン、最初にタイトルを信じていたのは私で、チーム内で最後まで信じていたのはジャンピエロ・ランビアーゼだけだった。我々にはやる気とコミットメントがありましたが、それが実を結ばなかった時は非常に失望した。その失望を受け、もう退くべき時だと慎重に考えた上での決断だった」
マルコ氏の言葉からは、フェルスタッペンとの信頼関係が今も揺らいでいないこと、そして少なくとも現時点では、レッドブルが彼にとって最適な居場所であるという認識が共有されていることがうかがえる。
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