F1 2026年 第2回バーレーンテスト2日目─アントネッリ最速、メルセデス好調の裏で高まる政治的緊張
第2回バーレーンテスト2日目、メルセデスのキミ・アントネッリが最速タイムを記録した。パドックでは各チームが実力評価を慎重に語る一方、パワーユニットを巡る政治的な緊張は徐々に表面化しつつある。
一部のチーム代表はエンジン適合性に関する憶測を強く否定。アストンマーティンは「まだパワーが足りない」と率直に認めた。上位陣の複数チームが「自分たちは4番手にすぎない」と語るなど、勢力図は意図的に煙に巻かれている状況だ。
それでも、木曜日の走行は序列のヒントをより明確に示した。
メルセデスが連日トップ
舞台となったサヒールはほぼ理想的なコンディションに恵まれ、パドックは前日以上の活気に包まれた。バーレーンのサルマン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ首相も姿を見せ、マクラーレンのガレージを視察している。
コース上では、メルセデスが連日トップに立った。初日をジョージ・ラッセルが制したのに続き、2日目はアントネッリが1分32秒803をマーク。オスカー・ピアストリとマックス・フェルスタッペンを上回った。
午前はランド・ノリスが1分33秒453でトップに立ち、マクラーレンのベースラインの速さを印象づける。しかし、午後にかけて路面が改善すると、順位は目まぐるしく入れ替わった。
ロングラン重視、赤旗はアロンソのみ
午後のセッションではルイス・ハミルトンが早々に走行を開始。各チームはロングランと周回数の積み重ねに重点を置いた。フェルスタッペンが一時トップに立ったものの、フェルナンド・アロンソがコース上でストップし、この日唯一の赤旗が提示される。大事には至らなかったが、アストンマーティンの信頼性には再び疑問符がつく形となった。
終盤にはトップタイムが二度更新される展開となり、ピアストリが一時首位に立つ。しかし、最終的にアントネッリがそれを上回り、最速で一日を締めくくった。
さらに、新しいスタートライト手順の練習も実施され、ピアストリが軽微なトラブルで一時停止する場面もあったが、すぐに走行を再開している。
スタート練習ではハミルトンの鋭い蹴り出しが目を引いたほか、フェラーリ製パワーユニットを搭載するハースも優れたトラクションを披露。2026年規定下での適応力という観点から、フェラーリ陣営への関心も高まりつつある。
フェルスタッペンはこの日最多となる139周を走破し、レッドブルの本格的な開発プログラムを静かに印象づけた。
トップ10は、アントネッリ、ピアストリ、フェルスタッペン、ハミルトン、ノリス、フランコ・コラピント、ニコ・ヒュルケンベルグ、ラッセル、エステバン・オコン、リアム・ローソンの順。
各陣営のスタンス
記者会見では、各陣営のスタンスもより鮮明になった。
アストンマーティンのランス・ストロールは「もっとパワーが必要だ」と率直に語り、改善策はあるとしつつも、開幕戦メルボルンまでに完全解決できるとは限らないとの見方を示した。
一方、メルセデスのトト・ヴォルフ代表は、パワーユニット規則違反に関する憶測を「全くのでたらめ」と一蹴。ライバルが政治的な物語を作り上げていると反論した。
フェラーリのフレデリック・バスール代表はより慎重な姿勢を取り、テストタイムが持つ意味は限定的だと強調。燃料搭載量やエンジンモード、各チームの隠されたプログラムこそが重要だと述べた。
ぼかされる勢力図、それでも見える序列
技術開発が急ピッチで進む中、パドック内の駆け引きも確実に激しさを増している。
現時点では、マクラーレンが単発の速さを示しているが、関係者の間ではメルセデスが最も余裕を感じさせるとの見方も広がっている。また、まだ手の内を明かしていない可能性もあるという。
フェラーリはロングランで安定感を示し、レッドブルも確実にトップグループに位置している。対照的に、ホンダと組むアストンマーティンはやや苦しい立ち上がりだ。
テストはまだ続く。しかし、序盤に見え始めたシグナルは、もはや無視できない段階に入りつつある。
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