ホーム » F1 ニュース » F1ドライバー » 角田裕毅 » 角田裕毅ファンは2026年をどう過ごすべきか?リザーブ降格後も応援を続けるべき理由

角田裕毅ファンは2026年をどう過ごすべきか?リザーブ降格後も応援を続けるべき理由

· ·
Yuki Monaco

2026年シーズン、角田裕毅はF1のレギュラードライバーではなくリザーブとして過ごすことになった。日本のF1界において
ここ10年で最もショッキングな出来事だろう。「これからどうすればいいのだろう」「何を応援すればいいのだろう」と困惑しているファンも多いはずだ。今回はそんな日本のF1ファン、角田裕毅のファンが2026年にできることを掘り下げていこう。

失望と新たなる希望

鈴鹿サーキット 日本GP 2025 

日本でここ数年のF1ブームは、ホンダ角田裕毅の功績と言ってもいいだろう。
彼は、セナマニア、佐藤琢磨、そして小林可夢偉の時代以来、再び国民の関心を再び燃え上がらせた。

しかし、レッドブルが角田裕毅の2026年のリザーブドライバー就任を発表。
これによって多くのF1ファンが失望し、どうしようもない感情が湧いただろう。

「何を応援すればいいのか分からなくなった」と口にするファンが大勢いたのだ。それはデータがそれを裏付けている。
当メディアの運営するSNSアカウント上では、ファンのほぼ半数が視聴をやめるかもしれないと発言しているのだ。

「もう終わりだ」「角田裕毅がいなければF1はない」「これから何を追いかければいいのか?」
しかし、これこそ角田裕毅ファンが最もやってはいけないことだ。

もし今ファンが離れれば、日本はF1における知名度、商業的影響力、そしてドライバーとしての影響力を失うことになる。
それはスポンサー、メディアの注目度、そして将来の日本人ドライバーのチャンスにさえ影響する。

そして皮肉なことに、日本は新たなF1ブームに突入するべきであり、そこから脱却すべきではない。
トヨタはハースをタイトルパートナーとして迎え、長期的な野心を抱いてF1に復帰する。

フジテレビは、セナとマクラーレンの黄金時代を彷彿とさせるF1を地上波放送を段階的に復活させる動きがある。

日本企業は過去10年間で最も熱心にF1を見守っており、最近ではウィリアムズにおけるコマツのように、F1チームのスポンサーとなる日本企業が増えている。

今は決してファンがF1から引退するべき時ではないのだ。
な​​ぜなら、あらゆる困難を乗り越え、角田にはグリッドに復帰する現実的な道筋がまだ残されているからだ。

それも多くの人が考えるよりも早く・・・。
今こそ、ファンは関わり続け組織的に行動し、これまで以上に賢く彼をサポートすべき時だ。

角田裕毅、復帰への希望は確かにある

ここで、欧米メディアで広まっている最大の誤解について考えてみよう。
「角田裕毅はF1に二度と戻らない」

この説は至る所で広まっており、パドックで出会うジャーナリストの間でも広まっている。
一部の国際メディアは、「彼は終わった」「二度と戻らない」とさえ報じている。

しかし、我々が知っていること、見てきたこと、そして関係者に確認したことから判断すると、これは全くの誤りだ。
我々は、角田裕毅が復帰できると強く信じている。しかも、多くの人が予想するよりも早くだ。

その理由は次のとおりだ。


2027年には複数のレースシートが空く

ドライバーラインナップ 2024

2026年の新レギュレーション導入を境に、多くのドライバー契約が終了する。
それに伴い、各チームはドライバーラインアップを大きく組み替えることになるだろう。

新世代マシンへの適応に失敗したドライバーは、生き残れない。
その一方で、確かな経験と実績を持つドライバーには、自然な形で新たなチャンスが生まれる。

その状況において、角田裕毅は「即戦力で、リスクの低い選択肢」として非常に魅力的な存在だ。
F1での十分なキャリア、開発能力への評価、そして比較的低コストで起用できる点は、チームにとって大きな強みとなる。

加えて、角田は日本という難しい市場において、強いファンベースと国際的な商業価値を持つ希少なドライバーでもある。
その点は、新規参入やブランド拡大を狙うチームにとって無視できない要素だ。

実際、キャデラックアウディは、角田のドライビング能力を高く評価し、起用に強い関心を示していた。しかし当時は、レッドブルの契約上の制約と、角田自身のレッドブルに対する強い忠誠心が、彼を留まらせた。

2027年、環境が変われば状況も変わる。
その時、角田裕毅は「準備が整ったドライバー」として、確かな位置に立っているはずだ。

シーズン途中での昇格は十分に現実的

レッドブル・レーシング代表 ローラン・メキース(左)

レッドブルはこれまでも、シーズン途中でドライバーを入れ替えてきたチームだ。
姉妹チームを含めれば、その前例は数え切れないほどある。そして、ここで状況はさらに興味深くなる。

長年レッドブルのドライバー人事を主導してきたヘルムート・マルコの退任により、彼が強く推してきた若手ドライバーたち
アービッド・リンドブラッド、アイザック・ハジャーは、これまで以上に厳しい目で見られる立場になった。

もし彼らのいずれかが、シーズン序盤で

・パフォーマンス不足
・精神面や成熟度の問題
・あるいはチーム内の力学による不適合

といった兆候を見せれば、レッドブルが判断を下す可能性は十分にある。シーズン途中の交代は、レッドブルにとって決して異例ではない。むしろ「必要とあらば即断する」文化こそが、このチームの特徴だ。

その点で角田裕毅は、極めて有利な立場にいる。すでに組織の内部におり、マシン特性や運営体制を熟知し、レースチームからの信頼も確立されている。新たに適応期間を必要としない「即投入可能な戦力」だ。

さらに言えば、マルコの退任によって、角田のF1キャリア継続を阻んできた最大の障壁のひとつは、すでに取り払われている、もし流れが変わる瞬間が訪れるとすれば、それは“予想外のタイミング”でやってくる。

そして、その時に最も現実的な選択肢として名が挙がるのが、角田裕毅である可能性は決して低くない。

ホンダの「長期復帰戦略」と角田の立ち位置

HRC 渡辺康治 社長(左) メキシコGP

ホンダは、アストンマーティンとの提携をもってF1活動を完結させるつもりではない。業界内部では、将来的に2チーム目へのパワーユニット供給を視野に入れていることは、半ば共通認識となっている。

かつてレッドブルとトロ・ロッソの2チームを支えた体制を思えば、それは決して突飛な発想ではない。もし将来、ホンダ製パワーユニットを搭載する第二のチームが誕生すれば、角田裕毅は真っ先に候補に挙がる存在となる。

技術的な理解度、ブランドとの関係性、そしてF1で積み上げた実績を兼ね備えたドライバーは、現時点で他にいない。さらに、他のパターンも存在する。2026年から始まるフォードとの新パワーユニット計画が、もしレッドブルにとって

・コスト面で想定以上の負担となる
・競争力や信頼性に課題を抱える

といった状況に陥った場合、メーカーサポートを再び求める可能性は、完全には否定できない。実現する確率は高くはない。
だが「あり得ない」と切り捨てられるほど非現実的でもない。

F1とは、数年に一度、「不可能」と思われていた選択肢が現実になる世界だ。ホンダとレッドブルが再び同じ方向を向く日が来るかは分からない。しかし、その可能性が完全に閉ざされたわけでもない。

そして、その未来図の中に、角田裕毅が再び現役ドライバーとして戻ってくる可能性は、今も確かに残されている。

F1の世界的マーケティング要素

彼は、日本のF1ファンにとってだけでなく、F1全体にとっても重要な存在であり続けている。

多様性の拡大を重視し、グリッドの多くをイギリス人ドライバーが占める現状に課題意識を持つF1 CEOステファノ・ドメニカリにとっても、角田が再びグリッドに戻ることは明確な商業的・戦略的価値を持つ。

日本のファンに、いま出来ること

角田裕毅のファン 相模原フェスタ

いま、多くの日本のF1ファンが同じ疑問を抱いているはずだ。
「来年、何を応援すればいいのか」「角田裕毅のために、私たちに何ができるのか」

結論から言えば、ファンにできる“具体的な行動”は確かに存在する。
しかも、それは想像以上に意味を持つ。ここでは、いま取るべき現実的な行動を整理しよう。

1. 角田裕毅コミュニティから離れない

いまは、距離を置くタイミングではない。

・日本・海外の角田裕毅ファンクラブに参加する
・X(旧Twitter)や各種コミュニティで情報を追い、反応する
・投稿への「いいね」「シェア」「コメント」を続ける

こうした継続的な関与そのものが、可視性を生む。可視性は評価や話題性、そして将来のチャンスに直結するだろう。

2. 「適切な露出」を求める声を上げる

日本のファンは、想像以上に影響力を持っている。それを、今こそ使うべきだ。

・日本語インタビューの増加を求める
 例:Shiga Sports(※パドックに常駐する取材メディア)への要望
・リザーブドライバーだからといって扱いを小さくしないよう、F1メディアに声を届ける
・長年F1を支えてきた尾張正博氏のような存在が第一線を退く中でも、日本発の視点を絶やさないよう求める
・放送コンテンツに対し、角田のF1復帰を継続的に追う姿勢を求める

もし日本のファンが静かになれば、世界のメディアは次の話題へ移る。
そして、日本のF1中継・報道そのものが縮小する可能性もある。

声を出し続けることが、可能性を保つ唯一の方法なのだ。

3. 現地で角田を支える

来季、角田裕毅はレッドブルの正式リザーブドライバーとして、多くのグランプリに帯同する。実はこれは、ファンにとって非常に貴重な状況だ。リザーブドライバーは

・サイン
・写真撮影
・パドックゲートでの交流
・ファンイベントやスポンサー活動

こうした場に現役レースドライバー以上に時間を割けるケースが多い。実際、今年のバルテリ・ボッタスも同様だ。現地に足を運び、声援を送り、存在感を示す。それはチームや関係者にとって、何より分かりやすいメッセージになる。

4. 公式グッズ・プロジェクトを支える

可能であれば、角田裕毅の公式グッズやコラボ企画を支援しよう。

・グッズの売上は「需要」を示す
・需要は「商業的価値」を示す
・商業的価値は、シート獲得に直結する

これはF1における現実だ。また、関係者によれば、角田自身のYouTubeチャンネル「YUKITUBE」
2026年以降に再始動する可能性があるとされている。時間的余裕が生まれるからこそ、できる新しい発信もあります。

ホンダ?レッドブル?それともトヨタ?

角田裕毅を巡り、日本のファンがいま本当に悩んでいること
角田裕毅がリザーブドライバーとなったことで、多くの日本のF1ファンが同じ疑問を抱いている。

「来年、どこを応援すればいいのか?」
「ホンダ? レッドブル? それともトヨタ?」

結論から言えば、答えはひとつではない。順番に、シンプルに整理してみましょう。

ホンダを応援する

ホンダを支持し続ける理由は、非常に明確だ。

・ホンダは角田裕毅を見出した存在
・カートからF2まで、欧州でのキャリアを全面的に支援してきた
・F1への道筋そのものを作ったのがホンダだった
・2026年からはアストンマーティンのワークスパートナーとしてF1に本格復帰
・長期的には、再び角田のシート創出に関与する可能性もある

ホンダは、角田裕毅の「原点」であり、そして将来的にフル参戦へ戻るための橋になる存在でもある。

レッドブルを応援する

一方で、レッドブルの重要性も依然として大きい。

・角田に5年間ものF1フル参戦を与えた(日本人として前例なし)
・ドライバーの入れ替えが多く、シーズン途中昇格の前例も豊富
・ヘルムート・マルコの影響力低下により、状況は確実に変化している
・現在はローラン・メキース主導体制となり、角田の評価はむしろ安定

リザーブという立場であっても、
最短距離でグリッドに戻れる可能性があるのは、今もレッドブルだろう。

トヨタを応援する

そして、最も注目すべき「ワイルドカード」がトヨタ

2009年のF1撤退に苦い記憶を持つファンも多いだろう。しかし、今回は状況がまったく違う。

・2026年からハースF1のタイトルパートナーとして復帰
・短期型ではなく、長期戦略を前提とした関与
・F1を通じてグローバルブランド力を強化する明確な狙い
・小松礼雄代表という、実戦経験豊富な日本人チーム代表が指揮
・将来的にハースのシートが空けば、日本人ドライバーが候補に挙がる可能性は十分

トヨタは、日本にとって新しい“ホームチーム”になり得る存在だ。

選ぶ必要はない。すべて応援すればいい

日本のF1ファンは、
ホンダか、レッドブルか、トヨタか──どれか一つを選ぶ必要はない。

・ホンダを応援する
・レッドブルを応援する
・トヨタの挑戦を見守る

むしろ全てを応援してもいいのだ。この応援こそ、日本でのF1の市場価値を高めることに繋がり、様々な形で参入してくる企業も増えるはずだ。

今こそF1を盛り上げよう

角田裕毅 日本GP 2025

繰り返すが角田裕毅はいま、キャリアの終わりに立っているわけではない。次の扉が開くのを待つ、重要な準備期間にいる。その間、ファンができることは確かにある。そして、その一つひとつが、未来を静かに、しかし確実に動かすだろう。

支援をやめないこと。
声を上げ続けること。
存在を示し続けること。

それが、いま日本のファンにできる最も大きな力だ。これは角田裕毅の為だけでなく、日本のF1界にとって大きな投資になる。鈴鹿のチケットは売らなくていい、是非サーキットへ足を運んでほしい。

【関連記事】






類似投稿